2002 Fiscal Year Annual Research Report
情動ストレスを制御するオレキシン神経系調節機構の解明に関する研究
Project/Area Number |
14570296
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
松崎 一葉 筑波大学, 社会医学系, 助教授 (10229453)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
桜井 武 筑波大学, 基礎医学系, 助教授 (60251055)
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Keywords | オレキシン / バッチクランプ / EGFP / ストレス / HPLC / 膜電位 / トランスジェニックマウス / ペプチド |
Research Abstract |
オレキシンは、視床下部外側野の非常に限られた神経細胞において発現している神経ペプチドである。これまでの研究からオレキシンは摂食行動や睡眠/覚醒の制御やストレス応答などに重要な生理機能を担うと考えられている。本研究では、ストレス応答におけるオレキシン神経細胞の役割を詳細に検討するために、オレキシン神経細胞特異的にEGFP(緑色蛍光たんぱく質)を発現するトランスジェニックマウスを用いて解析を行った。このトランスジェニックマウス脳を取り出し、酵素によって神経細胞を単離した。神経細胞をポリLリジンをコートしたカバーガラス上に貼り付け、微小電極を用いたパッチクランプ法によってオレキシン神経細胞活動に影響を与える物質の同定を行った。ラット脳のペプチド分画を高速液体クロマトグラフィーによって、さらに約300の分画に分け、それぞれをオレキシン神経細胞に作用させたときの神経活動変化を記録した。記録はカレントクランプにより膜電位の変化をモニニターし、自発発火頻度の変化を解析した。その結果、オレキシン神経活動を活性化させる分画、反対に活動を抑制する分画を同定した。これらの活性に影響を与える物質を含む分画から活性物質を精製し構造決定を行う。今後は同定した物質を動物の脳内に投与し、その行動に与える影響を調べる。
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Research Products
(1 results)