2003 Fiscal Year Annual Research Report
薬物動態モデルと疫学的手法を用いた化学物質のリスクアセスメント手法の構築
Project/Area Number |
14570304
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Research Institution | Saitama Medical University |
Principal Investigator |
柳澤 裕之 埼玉医科大学, 医学部, 助教授 (10200536)
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Keywords | 化学物質 / 薬物動態モデル / 疫学的手法 / リスクアセスメント |
Research Abstract |
近年、国内外で社会的問題になっているダイオキシン類のリスクアセスメントシステムを構築するために、ヒト体内のダイオキシン類の動態および奏効部位におけるダイオキシン類の濃度を推定する薬物動態モデルの作製を試みた。ダイオキシン類としては、毒性が極めて強いこと、環境中の主な汚染物質であることなどの理由から、近年そのリスクアセスメントが大きな問題となっている2,3,7,8-テトラクロロジベンゾダイオキシン(2,3,7,8-TCDD)を選んだ。薬物動態モデルとしては、血液、血行が豊富な臓器(脳、副腎、骨髄など)、血行が乏しい臓器(骨、脂肪組織など)、肝臓、腎臓、消化管など計6個のコンパートメントを想定した。2,3,7,8-TCDDに代表されるダイオキシン類は、脂溶性が高く、血液中では脂質と結合して存在すること、また標的臓器が肝臓であることから、2,3,7,8-TCDDの血中脂質中量と肝中量を中心に解析を試みた。ヒトでは、2,3,7,8-TCDD曝露後の血中脂質中2,3,7,8-TCDD量と肝中2,3,7,8-TCDD量の比は、10-12:1であった。それに対して、ラットでは血中脂質中2,3,7,8-TCDD量と肝中2,3,7,8-TCDD量の比は、1:3-4であり、ヒトとかなり異なることが示された。今回得られたデータは、現在までに報告されている疫学データや動物実験データとよく一致しており、この薬物動態モデルの有用性が裏付けられた。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] H.Yanagisawa: "Excessive zinc intake elevates systemic blood pressure levels in normotensive rats - Potential role of superoxide-induced oxidative stress"J.Hypertens. (in press).
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[Publications] H.Yanagisawa: "Detection of prepro-ET-1 mRNA in normal rat kidney by in situ RT-PCR"Nephron Exp.Nephrol.. 95. e55-e61 (2003)
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[Publications] H.Yanagisawa: "Dietary Zn deficiency does not influence systemic blood pressure and vascular nitric oxide signaling in normotensive rats"Biol.Trace Elem.Res.. 91. 157-171 (2003)
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[Publications] 柳澤裕之: "内科学 第2版 重金属中毒"文光堂. 7 (2003)