Research Abstract |
1.健常人ボランティア332名(内訳は男性140名,女性192名,年齢;5歳以下14名,6〜12歳23名,13〜20歳47名,21〜25歳59名,26〜40歳71名,41〜50歳50名,51〜60歳41名,61歳以上27名,職業;医療従事者100名,その他の職業87名,無職24名,大学生70名,児童・生徒33名)から445株のブドウ球菌を分離,同定した.また分離されたブドウ球菌はStaphylococcus episermidis242株,S.aureus103株,S.saprophyticus39株,S.hominis24株,s.haemolyticus13株,その他24株であった. 2.同定した各菌株の薬剤感受性をベンジルペニシリンおよびオキサシリンディスクを用いて試験したところ,MRSA7株,MRC-NS109株が検出された.またこれらのうち113株でPBP'の産生が認められた.メチシリン耐性率は,S.aureus6.8%,S.epissermidis40.5%,S.saprophyticus20.5%,その他のCNS4.9%で,S.episermidisにおいて耐性化が顕著であった.116株のメチシリン耐性菌について,βラクタム系以外の薬剤に対する感受性を検討したところ,マクロライド系,アミノグリコシド系,テトラサイクリン系,キノロン系,クロラムフェニコール,ST合剤に対し89〜99%の株が,またイミペネム(IMP)には37%,スルバクタム/セフォペラゾン(S/C)には12%の株が耐性を示し,多剤耐性化が進んでいることが明らかとなった.またMRC-NS109株のオキサシリンに対するMICは0.5〜256μg/mLに分布していた. 3.メチシリン耐性菌116株についてmec遺伝子群の有無を検討したところ,mecA遺伝子は100%,mecRI遺伝子は13.8%,mecI遺伝子は12.9%の株で検出された. 4.今回健常人の32.5%からメチシリン耐性菌(MRSA又はMRC-NS)が検出されたが,医療従事者(47.0%),5歳以下の幼児(64.3%)において特に検出率が高い結果となった.
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