2003 Fiscal Year Annual Research Report
次世代メディアテクノロジーが作業者の生理・心理的負担に及ぼす度合の計測・評価手法
Project/Area Number |
14570314
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Research Institution | University of Occupational and Environmental Health, Japan |
Principal Investigator |
神代 雅晴 産業医科大学, 産業生態科学研究所, 教授 (30048053)
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Keywords | 次世代メディアテクノロジー / VDT作業 / コンピュータ対話型労働 / 生体影響 / メンタルストレス / 視機能 / 大型スクリーン / HRV |
Research Abstract |
近年、携帯型情報端末用のディスプレイとして注目されている単眼視のヘッドマウントディスプレイ(HMD)を使用したVDT作業の視覚負担ならびに生理心理的ストレスの発現を通常のVDT作業を対照作業として比較検討した。被験者は、利き目に装着した単眼視のHMDに提示される図形と同じ図形を、非装着眼を用いて19インチの液晶ディスプレイ上に提示される複数の図形から選択し、回答を入力する作業を60分間要求された。対照作業は、19インチ液晶ディスプレイのみを使用して同様の作業を行わせた。 被験者は、健常男子大学生15名を用いた。視覚負担および生理心理的ストレスの様相は、視機能、自律神経機能、疲労感および眼の症状に関する主観評価、作業パフォーマンスを用いて評価した。視機能は、眼調節力の作業前後における変化を指標とした。自律神経機能は、作業中の指尖容積脈波の波高およびHRVを指標とした。疲労感の評価は作業遂行中10分毎、眼の症状は作業前後に質問票を用いて行った。作業パフォーマンスは、課題提示から回答入力までに要した時間および正答率を用いた。 作業パフォーマンスは、単眼視のHMDおよび液晶ディスプレイ併用条件の方が、通常のVDT作業と比較して、回答入力までの時間は長く、正答率は低い結果となった。疲労感は単眼HMD併用条件の方が訴えは高く、作業開始後のより早い時期に高い訴えを示した。また、眼の症状に関する訴えも、作業後においてHMD併用条件の方が高い結果となった。視機能は、両条件共に眼調節機能の作業前後における明瞭な変化は認められなかった。自律神経機能については現在解析中であるが、作業パフォーマンス、疲労感および眼の症状からは単眼HMD併用条件の方が視覚負担および生理心理ストレスは高いことが推定される。
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