2002 Fiscal Year Annual Research Report
新しい動脈硬化性疾患発症の予防因子としての高感度CRPの意義に関する疫学研究 -生活習慣改善の効果解明を含めて-
Project/Area Number |
14570318
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
玉置 淳子 北海道大学, 大学院・医学研究科, 助手 (90326356)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
増地 あゆみ 北海道大学, 大学院・文学研究科, 助手 (00322777)
佐田 文宏 北海道大学, 大学院・医学研究科, 講師 (90187154)
岸 玲子 北海道大学, 大学院・医学研究科, 教授 (80112449)
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Keywords | 生活習慣病 / 高感度CRP / 内臓脂肪 / インスリン抵抗性 / 動脈硬化 / 頚動脈超音波 |
Research Abstract |
職域集団のコホート集団で循環器疾患を予測する危険因子について検討するため、札幌市職員の13000人、北海道職員14000人、JR北海道職員1600人、千歳市職員の600人を対象に開始した。集団を追跡することにより動脈硬化性疾患発症の要因をストレスなどを含めて明らかにすることができる。また、札幌市職員については動脈の脈波測定をおこない、現時点の動脈硬化の評価と、その動脈硬化性疾患発症の予測因子としての役割を検討している。一部の集団で行った[日本人における高感度CRPと内臓脂肪の関連についての検討]を示す。 【目的】欧米人よりbody mass index(BMI)の低い日本人でC-reactive protein(CRP)と内臓肥満の指標、インスリン抵抗性、頸動脈硬化の関連について検討する。【対象】116人の健康な日本人(BMI:15.7〜30.6kg/m^2;15人は25〜29-9kg/m^2、2人は30kg/m^2以上)。【測定】肥満と内臓脂肪(身体計測、bioelectrical impedance analysis、腹部CT)、CRP(high sensitivity)、インスリン抵抗性の指標;interleukin-6(IL-6)、tissue necrosis factor-α(TNF-α)、頚動脈超音波のintima-media thickness(IMT)。【結果】単回帰ではCRPは肥満の指標に有意に関連していた。年齢、性、喫煙で調整後、CRPはウエスト周囲径、ウエスト・ヒップ比、内臓脂肪面積といった内蔵肥満の指標により関連していた。IL-6とTNF-αはCRPに関連しなかった。血圧、代謝の指標、CCA-IMTもCRPと関連していた。しかし、年齢、性、喫煙、BMIで調整後は血圧とHDL-コレステロールのみが有意であった。 【結論】健康な日本人では、CRPは内臓肥満に関連し、インスリン抵抗性の要素の一部に関連していたが、IL-6とTNF-αには関連しなかった。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] 玉置淳子, 菊池有利子, 由田克士, et al.: "行動変容ステージとそれに関連する因子の検討-High Risk and Population Strategy for Occupational Health Promotion study (HI-POP-OHP study) ベースラインデータより"第13回日本疫学会抄録集. (in press).
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[Publications] 岸玲子, 西條泰明: "ストレス回避"毎日ライフ. 5. 45-47 (2002)
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[Publications] 岸玲子, 西條泰明: "心臓・血管病の危険因子ストレス"すこやかハート. 81. 2-4 (2002)