2002 Fiscal Year Annual Research Report
勤労中高年女性における睡眠・覚醒に関わる諸問題と光環境との関連についての検討
Project/Area Number |
14570319
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
小林 理子 北海道大学, 保健管理センター, 講師 (90281823)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
福田 紀子 北海道大学, 医療技術短期大学部, 助教授 (20173354)
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Keywords | 更年期 / 睡眠・覚醒 / 光環境 / 女性 |
Research Abstract |
更年期は女性のライフサイクルにとって大きな生理学的変化が訪れる転換期であり,心理社会的にも高齢化した親や青年期の子供の諸問題などをかかえ心身両面にわたって危機が襲ってくる年代でもある。きたるべき老年期を健やかにむかえるためにも,睡眠障害や自律神経症状の程度など,その実態を明らかにするためにアンケート調査をおこない,その調整法について検討する。 平成14年度はピッツバーグ睡眠質問表(PSQI)を用いたアンケート調査を行った。 大学に在職する勤労女性40歳以上に自由記名式のアンケート調査票を郵送し,609通のうち316通の返答を得た(回収率52.2%)。アンケートは11月の1箇月間で回収し,希望者には結果を郵送した。年齢,身長,体重,運動,更年期指数(Kupperman),睡眠障害(ピッツバーグ睡眠質問表)に加えて生活習慣やホルモン補充療法への関心なども項目に含めた。更年期,すなわち40歳からの各年代別に就床時刻をみると,平日に較べて休日は15分から30分の延長であるが,起床時刻の方は1時間40分から1時間10分の延長が見られ,年齢とともに起床は早くなっていた。39-44歳あるいは45-49歳群では,更年期指数の高い更年期障害群で睡眠効率が低下しているのみであった。しかしながら,50~54歳群になると主観的睡眠の質は悪化し,入眠潜時も延長していた。また睡眠障害や日常生活への障害も大きく,総合評価も,平日,休日ともに低くなっていた。また,55~63歳群では,臥床時間の延長による睡眠効率の低下が更年期障害群で顕著であった。なお,BMIとの関連をみたが,睡眠障害との関連は得られなかった。ホルモン補充療法に関する調査では,知らない,あるいはよく知らないが267名中201名で75.2%をしめた。
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