2003 Fiscal Year Annual Research Report
健康寿命と生活の質を重視した包括的健康指標の開発とその社会経済的要因との関連性
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14570326
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
福田 吉治 東京医科歯科大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助教授 (60252029)
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Keywords | 公衆衛生 / 健康寿命 / 社会疫学 / 衛生統計 |
Research Abstract |
1.市区町村別死亡率の地域格差とその社会経済的要因との関連性に関する研究 市区町村を単位として、全死因による死亡率を算出し、地域の平均収入、学歴、失業率、居住面積と死亡率との関連を分析した。結果、低い社会経済的水準と高い死亡率との関連が認められ、その関連性は、女性より男性、全人口より75歳未満人口で強いことが示された。また、1975年から1995年までを観察すると死亡率と社会経済的要因との関連性は弱くなっていた。死因別に分析すると、関連性の低下は主に脳血管疾患の死亡率の低下および死亡率の地域格差の縮小によるものであった。 2.健康寿命の算出とその関連要因の分析 都道府県レベルでは、介護保険認定者を障害者とみなした2000年都道府県生命表を用いて、Disability-free Life Expectancy(DFLE)およびDisablity-adjusted Life Expectancy(DALE)を算出した。これらは、一人当たり収入、失業率、高齢者一人暮らし世帯割合、離婚率等と有意な関連が認められた。 市区町村レベルでは、同じく介護保険認定者を障害者とみなし、2000年市区町村生命表を用いて近似的なDFLEを算出した。DFLEは、一人当たり収入、失業率、高齢者一人暮らし世帯割合、離婚率と有意な関連が認められた。 3.個人の健康度とその関連要因 平成13年国民生活基礎調査個票を用いて、健康度として、喫煙、過度の飲酒、がん検診受診、糖尿病羅患を健康に関連した指標とし、収入、仕事の有無、居住地、婚姻状態等との関連を分析した。その結果、各種健康指標は収入、仕事の有無、居住地、婚姻状態と有意な関連が見られることが明らかになった。また、個人の社会経済的要因を調整しても、地域の指標との有意な関連も認められた。さらに、これらの関連性を性・年齢別に詳しく分析すると、性・年齢別に関連性に異なるパターンが認められた。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] Fukuda Y, Nakamura K, Takano T.: "Increased Excess Deaths in Urban-Areas : Quantification of Geographical Variation in Mortality in Japan, 1973to1998"Health Policy.. (in press).
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[Publications] Fukuda Y, Nakamura K, Takano T.: "Municipal socioeconomic status and mortality in Japan : sex and age differences, and trends in 1973-1998"Social Science and Medicine. (in press).
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[Publications] Fukuda Y, Nakamura K, Takano T.: "Dioxins released from incineration plants and mortality from major diseases : an analysis of statistical data by municipalities."Journal of Medical and Dental Science. 50. 249-255 (2003)
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[Publications] 福田吉治, 中村桂子, 高野健人: "地域の社会経済的要因と死亡率の関連の性・年齢差"日本公衆衛生雑誌. 50(10). 184 (2003)
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[Publications] 福田吉治, 中村桂子, 高野健人: "1973年から1998年に観察された市区町村別死亡率と地域社会経済水準との関連性の変化に関する社会医学的考察"民族衛生. 69(Suppl). 112-113 (2003)