2003 Fiscal Year Annual Research Report
思春期における腰椎・大腿骨頚部の骨量増加決定要因に関する追跡研究
Project/Area Number |
14570330
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Research Institution | Kyoto University of Education |
Principal Investigator |
中 比呂志 京都教育大学, 教育学部, 助教授 (00217639)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
伊木 雅之 近畿大学, 医学部, 教授 (50184388)
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Keywords | 骨密度 / 腰椎 / 大腿骨頸部 / 思春期 / 高校生 / 骨量増加決定要因 / 追跡研究 / 骨粗鬆症予防 |
Research Abstract |
平成13年度に高校1年生を対象に実施した調査をBaselineとして、本年度は高校3年生を対象に、前回と同様な調査を実施した。最終的に、高校3年生168名について調査を行い、追跡受診者160名(男子:77名、女子:83名、追跡率:50.6%)を得た。 追跡受診者に対して分析を行い、これまでに得られた結果は以下のとおりである。 1.男女とも高校1年生から3年生にかけて、腰椎、大腿骨近位部及び大腿骨頸部ともに骨密度は有意に増加しており、1年間当たりの骨密度増加率は男子において腰椎、大腿骨近位部及び大腿骨頸部の各部位で4.2%、4.1%、4.0%、女子においてはそれぞれ1.4%、2.7%、1.7%であった。中学1年生から3年生の変化率と比較して、高校期での増加率は小さく、男女とも骨の成長のピークが過ぎたことが推測される。これまでの結果から、女子では第二次性徴が始まる小学校高学年から中学校期が、男子ではこれらの期間に高校期を含めた期間が骨量の獲得にとって非常に重要である。 2.高校時代のスポーツ活動は、骨密度を高める方向に作用する重要な要因と考えられた。男子では多くの生徒がこの期間にスポーツ活動を行っていたが、女子生徒の約4割は高校時代に体育の授業を除きスポーツ活動を行っていない状況にあった。 3.男女とも体重が重い生徒で高い骨密度が認められた。また、体重の増加が大きい生徒では骨密度の増加率が大きく、逆に体重が減少した者では増加率が小さかった。体重の減少やダイエットが骨量の獲得を阻害している可能性が示唆された。 4.カルシウム摂取量及び牛乳・乳製品の摂取は、骨密度及びその変化率と顕著な関係を示さなかった。しかし、この時期のカルシウム摂取は骨量獲得に対して好影響を及ぼしていることが示唆された。女子ではカルシウムの摂取量が少なく、家庭や学校で積極的に牛乳や乳製品を摂取するような対策が求められる。
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Research Products
(2 results)