2003 Fiscal Year Annual Research Report
医療事故防止を目的としたチームワーク指向の参加型教育プログラムの開発
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14570331
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
中島 和江 大阪大学, 医学部附属病院, 助教授 (00324781)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中田 精三 大阪大学, 医学部附属病院, 助教授 (50116068)
高階 雅紀 大阪大学, 医学部附属病院, 助手 (30221352)
平出 敦 大阪大学, 医学部附属病院, 助教授 (20199037)
多田羅 浩三 大阪大学, 医学系研究科, 教授 (20107022)
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Keywords | 医療安全管理 / 医療事故 / 医学教育 / チームワーク / コミュニケーション / リスクマネジメント / インシデントレポート / シミュレーション |
Research Abstract |
チーム医療や医療に関係する法律等に焦点をあてた、シナリオを作成し、それらをDVD-ROMに収録した。各シナリオには、悪い例、良い例、必ず知っておくべき知識、注意点、教育方法等を盛り込んだ。各シナリオの概略とポイントは下記のとおりである。 【シナリオ1】血管造影を受けていた患者が、検査中に心肺停止に陥ったが、適切かつ迅速な心肺蘇生ができなかった。ポイント:ACLS(advanced cardiovascular life support)に関する知識と実習、CPR(cardiopulmonary resucitation)コールの活用、患者急変時のチーム医療におけるリーダーシップ、役割分担、声かけ、診療記録の記載の重要性。【シナリオ2】研修医がインスリンを経静脈的に持続投与する指示を口頭で出したため、ベテラン看護師に注意され医師指示簿に記載するが、単位を省略して書いたために新人看護師が量を誤って投与してしまった。ポイント:口頭指示、疑義照会、適切な指示記載及びチーム内での良好な人間関係。【シナリオ3】インフォームドコンセント:ERCPを受けた患者が検査の合併症である重症膵炎を発症し、患者から危険性を聞いていたらこんな検査は受けなかったのにと言われた。ポイント:具体的な数値を挙げたリスクの説明、説明文書の作成、説明の診療記録への記載、家族への説明。【シナリオ4】手術前に外泊した患者が外泊中に急変、救急搬送後に死亡したが、所轄警察が事件性はないと判断したため、担当医は病理解剖を家族に依頼しなかった。医師法21条に基づいて警察に届出をするべき事例、監察医と警察医、病理解剖の重要性。【シナリオ5】医療ミスに関して病院が記者会見したところ、記者会見の前後に、詰め所に報道機関から多くの問い合わせの電話がかかってきた。ポイント:説明責任、医療事故情報の共有、患者の個人情報の保護、守秘義務。 今後、これらを実際の医学教育に使用し、教育効果を評価する必要がある。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] 中島和江: "医療業務一般に関する医療事故防止対策"泌尿器外科. 16・12. 1245-1251 (2003)
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[Publications] 中島和江: "医療事故への対応"医療安全推進ジャーナル. 1・A(in press). (2004)
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[Publications] 中島和江: "ITを活用した医療安全への取り組み"安全医学. 1・A(in press). (2004)
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[Publications] 藤原研司編: "患者の安全-医療の現状と課題(新しい医療を拓く)"医学書院. 13(168) (2003)