2005 Fiscal Year Annual Research Report
生活習慣病に対する分子疫学的介入研究-行動科学とsib-Pair解析を用いて
Project/Area Number |
14570332
|
Research Institution | National Hospital Organization Kyoto Medical Center (Clinical Research Institute) |
Principal Investigator |
坂根 直樹 独立行政法人国立病院機構(京都医療センター臨床研究センター), 予防医学研究室, 室長 (40335443)
|
Keywords | 生活習慣病 / 分子疫学 / 行動科学 |
Research Abstract |
高血圧者78名(64±11歳)を対象とし、血圧伝送と行動科学に基づいた電子メールにより、収縮期血圧は154±16から142±17mmHgへと有意に低下した。食塩摂取スコアは5.1±2.7点から3.0±2.2点へと有意に低下した。 高脂血症者60名(61±6歳)に3ヶ月間の食事介入を行ったところ、体重とTCは有意に低下した(-1.6±1.5kgと-19.3±29.1mg/dl;p<0.05)。ΔTC(mg/dl)=-13.1×性別(男1、女0)+0.9×年齢(歳)+7.5×減量(kg)-44.8で、重相関係数は0.419(p=0.012)、年齢、性、体重の変化だけでは、TC変化の17.5%しか説明できなかった。別の高脂血症者44名において、β_3-AR(Trp64Arg)を持たない者に比べ、持つ者は減量が困難で(-1.7vs.0.0kg;p=0.047)、TCの改善も悪かった(-16.4vs.-2.0mg/dl;p=0.098)。本多型は安静時代謝量の低下や脂肪分解能低下と関連している。UCP1遺伝子多型(-3826A/G)を持たない者に比べ、持つ者は減量が困難で(-2.2vs.-1.0kg)、TCの改善も悪かった(-20.0vs.-9.2mg/dl)。本多型は、高脂肪食摂取時の熱産生能低下と関連している。また、ACE(I/D)を持たない者に比べ、持つ者は減量が困難であった(-2.5vs.-0.6kg;p=0.044)が、TCには影響を与えなかった。逆に、FABP2(Ala54Thr)を持つ者は持たない者に比べ、体重の変化に差はなかったがTCの低下が大きかった(-9.9vs.-23.0mg/dl)。以上の成績は、行動科学を用いた生活習慣の介入は有効であるが、その効果の差には遺伝子多型が関与していることが推察された。
|
Research Products
(6 results)