2004 Fiscal Year Annual Research Report
胎児期及び乳児期における低濃度環境汚染化学物質曝露の児の成長・発達への影響
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14570343
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
安藤 哲夫 鹿児島大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助手 (10107865)
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Keywords | 環境汚染物質 / 児の成長・発達 / 母の頭髪総水銀濃度 / 母乳のPCB濃度 |
Research Abstract |
鹿児島県M町の3、4ヶ月児健康診断の参加母児を対象に、母に対し研究目的、調査の内容、個人情報の保護、倫理面に関する配慮等に関し書面と口頭を説明し、母から書面での同意書を得て、母から母乳と頭髪を採取し、妊娠中と出産後の食生活を中心とする生活習慣について質問票調査を行った。これまでの3、4ヶ月児健診参加者は83組であるが、同意書を得た本研究への協力者(対象母児)の56組(3、4ヶ月児健診参加者に対する割合;67.5%)から妊娠後期(5ヶ月以降)の食生活、特に魚食習慣等の生活習慣について、児の"首の座り"等の成長に関する質問調査をおこなった。また、母乳提供者は43名(以下、対象の母に対する割合;76.8%)、頭髪提供者は54名(96.4%)であった。なお、頭髪提供の無かった母2名はいずれも母乳の提供があったので、本研究の対象母児の要件を備えている。6、7ヶ月児健診では母の頭髪総水銀測定結果とその栄養学的意義について本調査結果及び進展状況のフィードバックをおこなったが、これにより、対象母児56組のうちの6、7ヶ月児健診参加者56組から56組(6、7ヶ月児健診参加者の100%)が引き続き本研究に対する協力が得られている。M町住民(母)の頭髪中総水銀濃度は前年からの対象者を合わせた248名の幾何平均で1.60ppmであった。これまでのところM町の母の頭髪水銀濃度は低レベル傾向にあり、海岸のない地域を反映していると思われた。また、頭髪水銀濃度の最大値は7.04ppmであったが、このレベルでもこれまでの報告からは児への健康影響が顕著である可能性は低い。なお、初産と経産別に、母の頭髪水銀濃度を従属変数とし、児の出生体重、在胎期間、児の性、パーマネント処理および毛染め処理を説明変数として重回帰分析を行った結果、経産婦の母の頭髪水銀濃度は男児の母で高く(p=0.031)、魚食頻度ではなく一食当り魚摂取量が多いことで高いという関係がみられた(p=0.017)。母乳のPCB濃度はこれまでのところ未測定である。
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