2004 Fiscal Year Annual Research Report
緑茶飲用のインスリン抵抗性、炎症マーカーの低下作用に関する無作為化比較試験
Project/Area Number |
14570348
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Research Institution | University of Shizuoka |
Principal Investigator |
吹野 洋子 静岡県立大学, 食品栄養科学部, 助教授 (70075000)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
青木 伸雄 浜松医科大学, 医学部・衛生学, 教授 (10109762)
磯 博康 筑波大学, 社会医学系, 教授 (50223053)
伊勢村 譲 静岡県立大学, 食品栄養科学部, 教授 (40028197)
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Keywords | 緑茶飲用 / ポリフェノール量 / 空腹時血糖 / インスリン抵抗性 / 栄養素等摂取量 / 中高年者 / 無作為化比較試験 |
Research Abstract |
糖尿病、循環器疾患の予防、管理における緑茶成分の効用に関しては不明確な点が多い。近年、境界型糖尿病の有病率は上昇傾向にある。そこで、本研究は中高年者に対して無作為化比較試験・クロスオーバー介入研究により、緑茶追加飲用前後のポリフェノール摂取量の糖代謝に関する生体指標への影響を検討した。 対象は静岡県東部地区在住の60名(血糖正常者37%、境界型糖尿病28%、糖尿病35%)で、事前の説明会で調査の主旨、内容、方法を理解してもらい、同意書を得た者を対象とした。介入直前の身体・血液検査値及び性、年齢を考慮し、無作為に緑茶追加介入先行群(A群)と、緑茶追加介入後行群(B群)とした。介入期には普段の緑茶飲用に加え、ポリフェノール量1日500mg相当の緑茶抽出物を1日3回に分け、2ヶ月間追加飲用してもらった。2ヶ月後、介入期と非介入期を入れ替え、同様の調査を行った。調査内容は血圧、身体測定、空腹時の血液検査、生活習慣調査、栄養調査、普段の緑茶飲用量と濃度判定等である。緑茶摂取ポリフェノール量は緑茶飲用量と試飲による緑茶常飲濃度別ポリフェノール量の分析値を用いて算出した。 介入先行群(A群)、介入後行群(B群)のベースライン、2ヵ月後、4ヵ月後のポリフェノール摂取量では介入により両群とも、摂取量が有意に増加した。拡張期血圧は介入後、有意の低下傾向がみられた。ヘモグロビンA_<1C>値は両群とも有意に低下し、介入効果が認められた。栄養素等摂取量についてはエネルギー、たんぱく質、脂質、炭水化物等は各群、各期とも大差はみられなかったが、食塩は介入により、両群とも増加し、有意差が示された。主要ミネラル類とビタミン類摂取量は介入により、A群、B群ともやや減少を示したが、有意差は認められなかった。 以上2ヶ月間の約500mgポリフェノールの緑茶追加飲用によりヘモグロビンA_<1C>値の低下が認められ、緑茶飲用の糖尿病予防、管理への効果が期待できた。
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Research Products
(1 results)