2004 Fiscal Year Annual Research Report
一分間タイムスタディによる介護モデルの構築に関する研究
Project/Area Number |
14570350
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Research Institution | Hiroshima Prefectural College of Health Sciences |
Principal Investigator |
住居 広士 広島県立保健福祉大学, 保健福祉学部, 教授 (30249528)
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Keywords | タイムスタディ / 介護モデル / 要介護認定 / 介護保険 |
Research Abstract |
1.目的 介護保険制度では,1分間タイムスタディを基軸とした要介護認定等基準時間を要介護認定の標準化としている。要介護認定の介護評価は,直接身体介護が重視され,介護負担ならびに痴呆介護が軽視されている傾向にある。改訂版1分間タイムスタディでは,毎分00秒の介護内容を1分間ごとに抽出している。主に直接身体介護が抽出され,介護の質を捉えることは困難である。要介護認定改訂タイムスタディで介護負担と痴呆介護を捉える介護モデルを構築した。 II.検証調査 調査対象:M市K介護老人福祉施設の介護職員のべ7名,及びタイムスタディする調査員のべ12名 調査方法:改訂版タイムスタディにより,介護職員からの要介護者へのケア内容の調査を実施した。(調査記録用紙及びケアコード表は,第8回要介護認定調査検討会資料の記録用紙とケアコード表を参照^<3)>)9種類のケアコード(日常生活活動ADLの介護業務の181項目)から,毎分00秒に行われた介護職員のケア内容を記録する。 III.結果および考察 (1)痴呆介護は介護負担につながる 痴呆介護があるために介護負担度が大きくなっていた。声かけ等の軽度の介護であるはずなのに,介護負担度が「1」以上になっているのは,痴呆介護があったために,介護者が介護負担を感じたためである。 (2)痴呆介護は第三者でも捉えられる可能性がある 利用者の介護を行っていない第三者評価でも,痴呆介護を判断できる可能性がある。痴呆介護は,「その人の痴呆介護の必要性」という視点から見るため,同じ結果が得られやすいといえる。 (3)評価指標を検討し痴呆介護度を捉えていく必要がある Zaritの介護負担度と,独自に構築した痴呆介護度で介護評価を示した。本来のタイムスタディにはその指標はなく,実際に行われたケアのみが記録され,直接介護のみが評価の対象となっている。介護時間だけでは要介護者に対する介護量は変わらない。二つの指標を記入することで介護負担度や痴呆介護の介護評価ができる。痴呆介護は,問題行動に対して行うだけでなく,全ての介護負担につながっている。どの介護業務に対しても介護負担度と痴呆介護度を示す必要がある.
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Research Products
(9 results)