中高年女性における虚血性心疾患の発症におよぼす危険因子の横断的検討

2002 Fiscal Year Annual Research Report

• Project/Area Number: 14570351
• Research Institution: Iwate Medical University
• Principal Investigator: 小野田 敏行 岩手医科大学, 医学部, 講師 (00254748)
• Co-Investigator(Kenkyū-buntansha): 小栗 重統 岩手医科大学, 医学部, 助手 (60316354) ; 板井 一好 岩手医科大学, 医学部, 助教授 (10048572) ; 岡山 明 岩手医科大学, 医学部, 教授 (60169159) ; 中村 元行 岩手医科大学, 医学部, 講師 (40172449)
• Keywords: 虚血性心疾患 / BNP / 頚動脈エコー / 高感度CRP / 尿中微量アルブミン / コホート研究

Research Abstract

わが国の女性の総コレステロール値は中高年で高く、また経年的に増加傾向にあるが、これが虚血性心疾患発症におよぼす影響はいまだ明らかではない。我々は特に中高年女性における虚血性心疾患の発症および死亡に関わる様々なリスクを詳細に検討するため、今年度より新規に岩手県北地域でコホート研究を開始した。今年度は、二戸保健医療圏4市町村の協力を得て、基本健康診査受診者を対象にベースライン調査を行った。
ベースライン調査項目
血圧および心拍数、身長、体重、尿蛋白、尿糖、尿潜血、Hb、Ht、RBC、GOT、GPT、γ-GTP、クレアチニン、尿酸、総コレステロール、HDL、LDL、中性脂肪、HbAlc、BNP、高感度CRP、尿中微量アルブミン、心電図、既往歴、自覚症状、生活問診、栄養問診
また、軽米町では頚動脈エコーを一部地域で実施した。
調査実施時期および対象数
9411名(男3364名:平均63.6歳±標準偏差12.2歳、女6047名:62.3歳±11.4歳)、の同意を得て調査を行った。うち、40歳以上70歳未満の中高年女性は4105名(58.5歳±8.0歳)であった。頚動脈エコーを含めた詳細な検討を予定する軽米町では同年齢層の女性869名の参加が得られた。一部地域で頚動脈エコーを実施し、106名(12.2%)について測定を終了した。
結果
今年度実施分について生活問診および栄養問診を含めデータベース化が終了した。尿中微量アルブミンと他の古典的な循環器疾患の危険因子との間には、収縮期血圧、当日の服薬の有無、BMI、高感度CRPとの間にそれぞれ有意な関連が認められた。
来年度は引き続き、宮古保健医療圏の山田町および田野畑村にてベースライン調査を実施するとともに、軽米町の残り全地区において今年度同意者を対象に頚動脈エコーを実施する。