2002 Fiscal Year Annual Research Report
がん検診におけるリーグ表の開発とその応用性に関する研究
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14570361
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Research Institution | St. Marianna University School of Medicine |
Principal Investigator |
濱島 ちさと 聖マリアンナ医科大学, 医学部, 講師 (30286447)
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Keywords | がん検診 / 経済評価 / 費用-効果分析 / リーグ表 |
Research Abstract |
1)大腸癌検診の費用・効果分析 支払い者の立場から、大腸がん検診の費用・効果分析を行った。大腸癌検診の方法は便潜血2日法(検診群)とし、代替案としては全く大腸がん検診の行われていない状況(外来群)を仮定し、逐年検診の判断樹モデルを作成した。分析データは、官庁統計、地域がん登録、日本消化器集団検診学会統計、公表論文をベースに収集した。結果は5年生存率を基準とした生死とし、別途調査で得られた効用値からQALYを算出した。費用は直接費用に限定し、検診費用、精検費用、初回治療費用、ターミナルケア費用を用いた。60歳男性では、救命QALYは外来群2074.9QALY,検診群2136.2QALY、総費用は外来群56779.7万円、検診群58340.8万円であった。大腸がん検診の限界効果は61.3QALY,費用効果は25.4(万円/QALY)となった。 2)胃癌検診の費用・効果分析 胃癌検診についても同様に、従来法である間接X線法(XP)、ペプシノゲン法(PG)、両者の併用法である2段階法(PG→XP)及び同時併用法(PG+XP)について、60歳男性を対象とした費用・効果分析を行った。限界QALYはXP106.8、PG180.8、PG→XP291.2、PG+XP91.1であった。費用効果はXP53.8、PG76.2、PG→XP75.8、PG+XP113.5(万円/QALY)であった。 3)がん検診のリーグ表作成 標準化された手法でがん検診の費用・効果分析を行い、その結果に基づくリーグ表を作成するのが、本研究の目的であり、順次費用・分析を行っている。今年度の結果から、60歳男性を対象とした場合、大腸がん検診は胃がん検診より費用効果的であることが判明した。便潜血による大腸癌検診は有効性評価が確立しており、経済性にも優れていることから、がん検診の実施には優先的に選択すべき件心身方法と考えられた。
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Research Products
(1 results)