2003 Fiscal Year Annual Research Report
検体に尿を用いた活動性結核の迅速かつ簡便なスクリーニング法の開発
Project/Area Number |
14570365
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Research Institution | Kansai Medical University |
Principal Investigator |
西山 利正 関西医科大学, 医学部, 教授 (10192254)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
神田 靖士 関西医科大学, 医学部, 助手 (70295799)
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Keywords | 活動性結核 / スクリーニング / リコンビナント抗原 / 患者血清 / ELISA法 |
Research Abstract |
昨年、MPB64に関して患者血清との反応性について検討し、患者血清と特異的に反応することを報告した。本年はその他の2つの抗原MPB70及びMPB83を用いて、患者血清との反応性について検討した。 すでにクローン化されている結核菌(Mycobacterium bovis,BCG Tokyo)菌体抗原をコードする遺伝子mpb70及び83をPCR法によりそのORF(open reading frame)を取得した。このPCR productをGateway^<TM>クローニングシステムによりクローニングベクターpDNR201にクローニングし、さらに発現ベクターpET-DEST42にサブクローニングした。目的のMPB64タンパクを(His)6 tagとのfusion proteinとして発現した。更に、この発現したタンパクを(His)6 tagを用いてアフィニティー精製し、精製リコンビナントタンパクを抗原として、ウエスタンブロットにより活動型結核患者血清を用いて検討した。患者血清および尿は大阪府津田病院に入院中の活動性結核患者に十分なインフォームドコンセントのもと、同意を得た患者から血清を採取した。その結果、リコンビナント抗原MPB70及びMPB83はMPB64と比較して活動性結核患者の血清との反応性は低いものだった。 さらにより高感度で特異性の高い新規な抗原を検索するためにウシ結核菌のcDNA libraryを構築した。ウシ結核菌からRNAを抽出し、逆転写反応することによりtotal RNA由来のcDNAを合成した。このcDNAの両端にadapter linkerを付加し、大腸菌発現ベクターpGEX4T-3に挿入した。こうして構築した。cDNA Libraryを用いて、プレート上で患者プール血清との反応性により擬陽性を含む陽性クローンを6個取得した。これらのクローンのシークエンスを解析したところ、そのうちの一つがウシ結核菌のゲノム上の開始コドンを含むそのORFが849bpの遺伝子であることが判明した。ところがこのタンパクの機能並びに特徴等はまだ報告もなく、抗原として新規なタンパクであることが示唆された。 現在、このクローンの発現タンパクの免疫化学的特性を検討するため、患者血清を用いたWestern Blottingによる抗原性の検討またELISA法によりこれらの抗原の感度並びに特異性を比較検討する予定である。さらに患者の尿を用いて同様に検討を行っていく予定である。
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