2004 Fiscal Year Annual Research Report
乳幼児の睡眠・覚醒リズムの発達とその発達過程に及ぼす要因に関する継続研究
Project/Area Number |
14570366
|
Research Institution | Hiroshima Bunkyo Women's University |
Principal Investigator |
松本 一弥 広島文教女子大学, 人間科学部, 教授 (80086602)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
新小田 春美 九州大学, 医学部・保健学科, 助教授 (70187558)
|
Keywords | 乳幼児 / 妊産婦 / 睡眠・覚醒リズム / サーカデイアンリズム / アクチグラフ / 継続研究 / 社会的同調因子 |
Research Abstract |
本研究は、上記の研究課題、すなわち「乳幼児の睡眠・覚醒リズムの発達とその発達過程に及ぼす要因に関する継続研究」を遂行することである。本年度の研究は、さらに例数を増やして、1)actigraphy測定装置と睡眠日誌を用いて出産直後から産後15週間にわたって継続した母子ペアーの睡眠覚醒行動を検討した。2)幼児期における睡眠・覚醒パターンの変化と、保育園でとる昼寝の影響を探るために、actigraphyと母親が記載した睡眠日誌をもちいて16名の保育園児で検討した。上記の研究にあっては、乳児および幼児の母親または父親からいずれもインフォームド・コンセントが得られた。 1)の研究では、(1)まず分娩直後から約1か月間における母親の夜間の睡眠パターンは大きく乱れていた。全睡眠時間が短縮し、睡眠効率は悪化し、授乳のための中途覚醒が増大し、サーカデイアン振幅は有意に減少していた。(2)また、申請時期における睡眠パターは、睡眠・覚醒周期の短いUltradian rhythmが優勢であったが、4週齢頃から8週齢にかけて徐々にcircadian rhythm要素が強まっていったが、そのリズムの成立過程に個人差がみられた。(3)さらに、初産婦の母子は、経産婦のぼしよりも就寝・起床時刻が出産後全ての週で遅延していた。母親の夜間睡眠中に乳児が眠っている時間のパーセンテージは、週齢と共に上昇していたが、出産前半の週では初産婦の乳児でそのパーセンテージが高く、後半の週齢では低かった。こうしたことより、母親の睡眠習慣や保育経験の有無、乳児以外の兄弟の存在有無などが、乳児の睡眠・覚醒リズムの発達に修飾影響を及ぼしていた。 2)の研究では、保育園で約90分の昼寝がある条件では、就寝時刻が遅く、全睡眠時間が短縮し、中途覚醒が多いなど、夜間睡眠に悪影響を及ぼしていることを指摘した。2編の英文雑誌に掲載、国内外の学会で報告した。
|