2002 Fiscal Year Annual Research Report
労働者個人の健康情報管理のあり方についての事業者及び労働者の意識調査
Project/Area Number |
14570369
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Research Institution | University of Occupational and Environmental Health, Japan |
Principal Investigator |
堀江 正知 産業医科大学, 産業生態科学研究所, 助教授 (90341528)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
筒井 隆夫 産業医科大学, 産業生態科学研究所, 助教授 (60309987)
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Keywords | 個人情報 / 健康診断 / 健康情報 / プライバシー / 労働者 / 労働組合 / 産業医 / 産業保健 |
Research Abstract |
本研究は、近年の個人情報に対する国際的動向やわが国における個人情報保護法制定の動きなどを受けて、安衛法に基づいて事業者が保存している健康診断結果など労働者の健康情報の適切な取扱い方について検討するために、労働者自身がどのような取扱い方を望んでいるのかを調査することを目的としている。 2002年度は、労働組合に対する意見調査を実施した。連合本部雇用労働局の協力を得て産業別労働組合を通して抽出した全国の836単組および非連合系の88単組の安全衛生担当者を調査対象とした。2003年1月にA3版両面1枚の単組名および回答者名記入式の調査票を配布し、安衛法に基づく事業者による健康診断結果の保存、労働者個人のプライバシー保護を優先するための事業者による安全衛生確保義務の軽減の是非、職域の人事担当者による健康情報の閲覧可能範囲、健康診断結果に基づく労働条件の変更上の課題、産業医等が健康情報を保存する際の課題、過去の問題事例という6つの事項について選択方式と自由記載方式でたずねた。 2003年3月20日までに連合系312単組、非連合系28単組の合計340単組から回答(回答率36.8%)を得た。各単組のある事業場の適用労働者総数は75万人強であった。単組のうち約2/3は事業者が労働者の健康情報を保存する現状に「特に問題はない」としているものの、約14%の単組は「問題がある」と考えていることが明らかとなった。その理由としては、多い順に、事業者とはいえ他人に健康情報を開示すること(43単組)、健康確保目的以外で健康情報が使用されること(27単組)、職場上司など職場内の多くの関係者に開示されること(22単組)、セキュリティが確保できないこと(13単組)などがあげられていた。今後、他の設問事項を含めて、事業場、単組および労働者の特徴によるクロス解析を実施する予定である。
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