2003 Fiscal Year Annual Research Report
看護婦の夜勤、睡眠障害および医療事故の関連性についての疫学研究
Project/Area Number |
14570372
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
大井田 隆 日本大学, 医学部, 教授 (40321864)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
横山 英世 日本大学, 医学部, 助教授 (90120584)
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Keywords | 睡眠障害 / 夜勤 / ミス / 看護師 |
Research Abstract |
睡眠上の問題と業務上のミスやニアミスは関連がある可能性が指摘されている。看護婦の睡眠問題と医療上のミス等の実態を明らかにし、夜勤や交代勤務をする勤労者の健康保持や仕事上のミスの予防策を講じる上での方策を検討することはきわめて重要な問題と考えられる。本研究においては病院勤務看護婦を対象に調査を実施し、看護婦の夜間勤務ないし睡眠障害の実態について検討し夜間勤務と種々の医療事故との関連性について解析した。調査対象者は東京大都市、その他(埼玉県、三重県、福井県、青森県)に設置されている400床以上の総合病院8施設に勤務する看護婦で、調査期間は2003年9月の1か月間であった。調査対象病院は調査依頼をして了解を得られた病院で、東京大都市の大学附属病院4施設、その他の大学附属病院2施設、その他の公的病院各2施設であった。回答数は、4,407で、調査票の回収率については、94.0%であった。なお、これらのうち女性看護婦4,279名を解析の対象とした。ミスの有無と夜勤の有無について統計学的に有意な関係が認められた。睡眠時間の分布と医療ミスの有無の関連については、統計学的に有意な関係は認められなかった。入眠障害ないし日中の過剰な眠気とミスの有無との間には、統計学的に有意な関係が認められたが、睡眠の主観的評価、中途覚醒、早朝覚醒・再入眠障害とミスの有無との間には、統計学的に有意な関係は認められなかった。過去12ヶ月間の事故要因に関する多重logistic回帰分析結果過去12ヶ月間の事故要因として、調整後では配偶者なし、夜勤あり、年齢との間に有意な関連がみとめられた。
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