2003 Fiscal Year Annual Research Report
子どもの虐待のアセスメント票と虐待による損傷に関する臨床法医学的研究
Project/Area Number |
14570389
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
恒成 茂行 熊本大学, 大学院・医学薬学研究部, 教授 (80040202)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
米満 孝聖 熊本大学, 大学院・医学薬学研究部, 講師 (10128332)
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Keywords | 子ども虐待 / 虐待防止 / リスクアセスメント / 臨床法医学 / 損傷検査 / 虐待のモデルケース / アンケート調査 |
Research Abstract |
1.虐待モデルケースを用いたリスクアセスメント票(初版)の有効性検証 平成14年度に開発した「子どもの虐待早期発見のためのリスクアセスメント票(初版)」の有効性を検証するために、実際例を参考にして、重度身体的虐待、重度ネグレクトおよび中等度身体的虐待の3種類の虐待モデルケースを作成した。熊本県下の児童相談所職員、虐待防止ネットワーク連絡会会員及び民生児童委員などの子どもに関わる関係者97名にモデルケース3例についてリスクアセスメント票(初版)を試用してもらい、14職種67名より回答を得た(回収率69.1%)。その結果、どの職種でもアセスメントが可能であった。ただ、職種間によるリスクの捉え方の違いや職種によっては回答できない項目があり、今後は質問項目に対する重み付けによる虐待評価基準の設定や職種(機関)別のリスクアセスメント票の開発が必要である。 2.被虐待児にみられる損傷の臨床法医学的検査 平成14年度から引き続き、児童相談所が一時保護している子どもの身体検査合計10例を行い、被虐待児にみられる損傷について臨床法医学的に検討した。 3.医療関係従事者の子どもの虐待に関する意識調査 被虐待児を発見しやすい立場にある医療従事者や医療事務関係者を対象として子どもの虐待に関するアンケート調査を実施した。熊本市内で内科、小児科、外科、整形外科や救急外来を標榜する医院から無作為に110ヶ所を抽出し、それぞれにアンケート用紙10枚ずつを配布した。虐待児受診の有無やその対応方法、また既に熊本県が発行している「子ども虐待対応マニュアル」の認知度などについて調査した。現在、アンケート用紙を回収集計中である。
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