2002 Fiscal Year Annual Research Report
アルコールによるユビキチネーション阻害の分子生物学的機序
Project/Area Number |
14570393
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Research Institution | Sapporo Medical University |
Principal Investigator |
松本 博志 札幌医科大学, 医学部, 教授 (60263092)
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Keywords | アルコール / NF-κB / IκB / IAP / ユビキチネーション / LPS / TLR4 |
Research Abstract |
●ラット肝細胞において、アルコール負荷によるNF-κB活性化は一時的に上昇し、その後減弱するが、その過程には代謝物アセトアルデヒドによるIκBのユビキチネーション・分解過程の阻害が関与している ●Toll like receptor 4(TLR4)変異マウスを用いた検討で、アルコール投与によるNF-κB活性化は、エンドトキシン(LPS)投与によるTLR4を介するNF-κB活性化とは異なる経路で活性化することが明らかになり、アルコールもNF-κB活性化因子の一つであることを証明した ●IκB分解阻害剤の付加により、アポトーシス誘導系であるJNK-AP-1系の活性は増強した。JNK-AP-1系を阻害するとされているIAPは、NF-κBによって転写制御されている。そのIAPはIκB分解阻害剤により、その誘導は減弱し、NF-κB活性によるIAPの誘導がJNK-AP-1系を制御していることを示した ●IκB分解阻害剤の付加は、アルコールによるアポトーシスの誘導を増強した。アルコールによるアポトーシスの制御に、NF-κB活性化が関与していることが明らかとなった
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