2002 Fiscal Year Annual Research Report
遺伝子発現プロファイリングによるI型糖尿病患者樹状細胞の分化異常解析と治療応用
Project/Area Number |
14570401
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
高橋 和眞 東北大学, 医学部・附属病院, 助手 (60292215)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐藤 譲 東北大学, 大学院・医学系研究科, 助教授 (60125565)
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Keywords | 1型糖尿病 / 樹状細胞 / マイクロアレイ / NODマウス / トランスクリプトーム |
Research Abstract |
自己免疫性1型糖尿病は、インスリンを産生する膵β細胞が、自己抗原特異的細胞傷害性T細胞によって破壊され、インスリンが絶対的に欠乏する事によって発症する臓器特異的自己免疫疾患である。申請者である高橋らは、1型糖尿病患者やその第一度近親者では、樹状細胞の異常のために細胞傷害性T細胞が制御されずβ細胞破壊が進行する可能性を既に示した(Takahashi K.et al.J Immunol,1998)。本研究は、将来的に1型糖尿病の予防的治療への応用を前提とし、1型糖尿病患者由来の単球由来樹状細胞の分化の異常を、分化途上での遺伝子発現プロファイルの異常として捉え、DNAマイクロアレイ技術によりトランスクリプトーム解析を行う事を目的として計画した。しかしながら、患者間の差が患者と対照との差を上回る可能性が懸念されたので、本年度は1型糖尿病のモデルであるNOD(non-obese diabetic)マウスとそのsisiter strainであるNON(non-obese non-diabetic)マウスとを対象とし検討した。 塩野義製薬油日研究所よりNONマウスの供与を受け繁殖、サブコロニー得た。6週齢雌性NOD及びNONマウスより骨髄細胞を得、Inabaらの方法(Inaba K et al.J Exp Med,1992)に基づき、recombinant mouse IL-4ないしGM-CSFの濃度を最適化し、約60%のCD11c^+I-A^<g7+>細胞を得る系を確立した。更に、MACS^<TM>ビーズ結合抗CD11c^+抗体を用いてほぼ完全に樹状細胞を精製した。Trizol^<TM>を用いて型どおりtotal RNAを得た. 現在、各個体ごとに得たtotal RNAをプールし、トランスクリプトーム解析に供する準備中である。平成15年度を、NODマウスとNONマウスとの間に発現の差を認めた遺伝子に焦点を当て、1型糖尿病患者由来の樹状細胞を対象に解析を進める。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] K.Takahashi: "Redused diabetogenic effector cells in the nod mice lacking interferon regulatory factor-1"Diabetes Metabolism Research and Reviews. 18・4. S56 (2002)
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[Publications] 高橋和眞: "Natural resistance associates macrophage protein 1(NRAMP1)遺伝子プロモーターの新しい多型と日本人1型糖尿病との関連"Journal of the Japan Diabetes Society. 45・2. S-93 (2002)
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[Publications] 高橋和眞: "1型糖尿病の予知と予防"Diabetes Frontier. 14. 17-28 (2003)