2002 Fiscal Year Annual Research Report
p53遺伝子の滑膜細胞導入による慢性関節リウマチ遺伝子治療の基礎研究
Project/Area Number |
14570419
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Research Institution | Department of Clinical Research, National Hospital Organization Nagasaki Medical Center |
Principal Investigator |
右田 清志 国立病院長崎医療センター, 臨床研究センター, 免疫研究部長 (60264214)
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Keywords | 関節リウマチ / p53 / 細胞周期 / プロテアゾーム |
Research Abstract |
関節リウマチ(RA)滑膜細胞の細胞周期に対するp53の影響を検討する目的で、RA滑膜細胞にプロテアゾーム阻害剤(MG132)を添加することで、内因性のp53発現誘導を試みた。細胞周期制御蛋白であるp53は、プロテアゾームでユビキチン化をうけ、分解されるため、細胞表面には通常は発現されない。プロテオゾーム阻害剤(MG132)で、p53の蛋白分解を阻害することで、用量依存性にRA滑膜細胞にp53の発現が誘導された。このp53の発現を誘導した滑膜細胞と、無処置の滑膜細胞を用い、その細胞周期と細胞周期蛋白を調べた。RA滑膜細胞を、増殖因子である血小板由来増殖因子(PDGF)で刺激し、DNA染色を行った。無処置のRA滑膜細胞は、PDGF刺激で、S期の細胞の増加が見られ、細胞周期の進行が確認されたが、p53を発現させた滑膜細胞は、PDGF刺激でもS期の細胞の増加が見られず、細胞周期が停止(cell cycle arrest)していた。またp53を発現させた滑膜細胞では、PDGF刺激で、Rb蛋白(網膜芽細胞腫蛋白)のリン酸化が認められないことが明らかになった。以上の結果より、プロテアゾーム阻害で、RA滑膜細胞に誘導される内因性p53は、増殖因子刺激による細胞周期の進行を阻害することより、細胞周期制御蛋白としての本来の機能を有していることが判った。従って、各種薬剤、遺伝子導入により野生型p53を発現させることで、RA滑膜細胞の増殖抑制、ひいてはRAの新しい治療法になりうることが示唆された。
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Research Products
(1 results)
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[Publications] Migita K, Yamasaki S, Ida H, Kita M, Hida A, Shibatomi K, Kawakami A, Aoyagi T, Eguchi K: "The role of peroxynitrite in cyclooxygenase-2 expression of rheumatoid synovium"Clinical Experimental Rheumatology. 20(1). 59-62 (2002)