2003 Fiscal Year Annual Research Report
重症気管支喘息患者の気道におけるCCケモカインの発現とステロイド抵抗性
Project/Area Number |
14570428
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Research Institution | KEIO UNIVERSITY |
Principal Investigator |
仲村 秀俊 慶應義塾大学, 医学部, 助手 (00217879)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中島 隆裕 慶應義塾大学, 医学部, 助手 (70306702)
浅野 浩一郎 慶應義塾大学, 医学部, 講師 (60192944)
山口 佳寿博 慶應義塾大学, 医学部, 助教授 (30129712)
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Keywords | 気管支喘息 / 重症度 / エオタキシン / ステロイド / bradykinin / TGF-β / oncostatin-M |
Research Abstract |
近年エオタキシン産生誘導因子としてbradykininが注目されるようになった。気道におけるbradykininがエオタキシン産生を介して喘息の重症化に関与する可能性を考え、喘息患者53例、対照健常者8例の呼気濃縮液を採取し、bradykinin濃度をELISA法で測定した。呼気濃縮液中bradykinin濃度は測定可能であったが、喘息群と対照群で平均値に有意差を認めなかった。喘息患者におけるbradykinin濃度は個人差が大きく、何らかのphenotypeとの関連が示唆された。他の因子として、LTC4も検出可能であったがエオタキシンは検出されなかった。一方、bradykininの起源として肺胞マクロファージの重要性が示唆されつつある。単球系cell lineであるMono Mac 6を種々の因子で刺激し、培養上清においてbradykinin濃度を測定した。非刺激でもbradykininは検出され、IFN-γにより産生は亢進していた。 重症喘息患者における気道のリモデリングの進行に線維芽細胞が重要な役割を果たすと考えられているが、線維芽細胞はエオタキシンを多く産生する細胞型として知られている。そこでヒト胎児線維芽細胞HFL-1を用い、近年エオタキシン産生誘導に関与する因子として認識されるようになったbradykinin, TGF-β,oncostatin-Mなどの影響を検討した。いずれの因子も単独ではHFL-1のエオタキシン産生に大きな影響を与えなかったが、TGF-βとoncostatin-Mの同時投与によりエオタキシン産生は増加した。一方、TNF-αはエオタキシン産生を著明に増加させたが、この効果はdexamethasoneにより減弱し、TGF-βの追加投与によりさらに低下した。重症喘息患者の気道においてはTGF-β産生は亢進していると考えられ、TGF-β存在下においてもエオタキシン産生は持続し、ステロイド投与の影響を受けにくいと推察される。このメカニズムとしてoncostatin-M、TGF-β、ステロイドの相互作用の存在が示唆された。
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Research Products
(1 results)