2002 Fiscal Year Annual Research Report
摂食障害における食欲・体重調節関連物質の遺伝子解析
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14570436
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Research Institution | National Center of Neurology and Psychiatry |
Principal Investigator |
安藤 哲也 国立精神・神経センター, 精神保健研究所・心身医学研究部, 室長 (50311428)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小牧 元 国立精神・神経センター, 精神保健研究所・心身医学研究部, 部長 (70225564)
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Keywords | 摂食障害 / 神経性食欲不振症 / 神経性無食欲症 / uncoupling protein / Agouti-related protein / グレリン / 感受性遺伝子 / 遺伝子多型 |
Research Abstract |
(1)摂食障害患者の遺伝子試料の収集:全国の研究協力施設からインフォームドコンセントの手続きを経て、摂食障害患者の血液試料と臨床データを収集した。サンプル数は平成15年3月までに神経性食欲不振症(AN)143人、神経性過食症66人に達した。 (2)候補遺伝子法による相関研究:摂食・体重調節関連物質のUncoupling Protein (UCP)、Agouti-related protein (AGRP)、グレリンを候補遺伝子としてPCR-RFLP法で多型解析を行った。UCP-2/3遺伝子はその近傍のマイクロサテライトマーカーとANとの有意な関連が欧米で報告されている。我々は肥満やエネルギー消費と関連するUCP-2 55A/V多型、UCP-2 ins/del多型、UCP-2-866G/A多型、UCP-3-55CT多型を解析したがいずれもANとの関連は認められなかった。AGRP遺伝子の760G/A多型はドイツ・オランダ人を対象とした研究でANとの関連が報告されている。我々は摂食障害患者100名と健常者100名で解析を行ったが、この部位にG→Aの変異は検出されなかった。従ってこの変異は日本人ではたとえ存在するとしても稀であり、摂食障害の罹患感受性への関与の可能性は低いと考えられる。グレリンは近年発見され、主として胃から分泌される強力は摂食刺激物質である。AN患者では低体重・栄養不良があるにも関わらず血中濃度が上昇していない。グレリンの血中濃度に関係するグレリン遺伝子のArg51Gln多型と脂肪蓄積と関連するプレプログレリン遺伝子のLeu72Met多型を解析した。Arg51Gln多型は調べたサンプル中に認められず、またLeu72Met多型とANとの関連もみられなかった。
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Research Products
(1 results)