2002 Fiscal Year Annual Research Report
マウス骨髄移植技術を用いた肝不全発症機構の解明とその臨床応用に関する研究
Project/Area Number |
14570458
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Research Institution | Gifu University |
Principal Investigator |
山田 泰弘 岐阜大学, 医学部, 助手 (10324295)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
清島 満 岐阜大学, 医学部, 教授 (10171315)
和田 久泰 岐阜大学, 医学部附属病院, 講師 (10283300)
斉藤 邦明 岐阜大学, 医学部附属病院, 講師 (80262765)
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Keywords | 骨髄移植 / ノックアウトマウス / 急性肝障害モデル / TNF / IL-6 / ガラクトースアミン / LPS / 生存率 |
Research Abstract |
C57B1/6のWTマウスに対し放射線照射を行うことにより、血液幹細胞を死滅させ、その照射マウスに対してWTならびにTNFやIL-6ノックアウトマウスから抽出した骨髄を投与して骨髄移植マウスを作成することに成功した。照射マウスに対して骨髄を移植しない場合には、これらのマウスは1ヶ月以内に死滅してしまうことを確認している。これらの移植済みマウスを1ケ月間無菌状態で飼育し、移植骨髄が生着したのを確認した後に、ガラクトースアミン並びにLPSを腹腔内に投与することにより,急性肝障害モデルを作成した。H&E染色を行ったところ、その時間的経過における肝障害の状態の違いを確認することが出来た。すなわちIL-6 KO移植モデルにおいてWTに比較してより早期の肝障害が観察されると同時に、TNF KOモデルにおいては、その肝障害が遅延することを初めて観察した。血清中の肝機能測定により肝障害の度合いの差異も裏付けられている。生存率の差異においては、さらに顕著であり、WT移植モデルにおいて処置後12〜18時間後に死滅するのに対して、IL-6 KO移植モデルにおいては処置後6〜8時間以内にその全てが死滅してしまう。TNF KOモデルにおいては、処置後16時間後より個体死が認められるようになり、処置後30時間後になってその全てが死滅していくのである。このように各種サイトカインを骨髄中からノックアウトすることにより、肝臓における障害の差が認められるようになったことは、今まで例を見ないことであり、今後は影響を及ぼしたサイトカインの経路を検討し、肝障害機序の解明について検討する予定である。
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