2003 Fiscal Year Annual Research Report
C型慢性肝炎の病態とインターフェロン誘導蛋白及びサイトカインの遺伝子多型
Project/Area Number |
14570459
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
吉岡 健太郎 名古屋大学, 医学部附属病院, 講師 (60201852)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宮田 史之 名古屋大学, 医学部附属病院, 医員
矢野 元義 名古屋大学, 医学部附属病院, 助手 (00281460)
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Keywords | C型肝炎ウイルス / C型慢性肝炎 / MxA / SNP / RFLP / インターフェロン / 無症候性キャリア |
Research Abstract |
C型肝炎ウイルスに感染していても、肝機能正常を維持している無症候性キャリアとC型慢性肝炎の患者がいる。このような病態の違いには患者の遺伝子の違いが関与している可能性がある。そこでインターフェロン誘導蛋白のひとつであるMxAの遺伝子多型を無症侯性キャリアとC型慢性肝炎患者の間で比較した。 C型肝炎ウイルス無症候性キャリア29例とC型慢性肝炎患者60例より文書による同意を得て、全血を採取した。全血よりDNAを抽出し、PCR法によりMxA遺伝子プロモーター領域(nt-567〜nt+30)を増幅し、制限酵素HhaIを用いたrestriction fragment length polymorphism(RFLP)法にてnt-88の遺伝子多型(single nucleotide polymorphism、SNP)を検出した。 MxA遺伝子のプロモーター領域nt-88のSNPは、無症侯性キャリアにおいてはG/TヘテロザイゴートがC型慢性肝炎患者に比べて有意に多く(66%、28%、P=0.008)、G/Gホモザイゴートが有意に少なかった(17%、52%、p=0.019)。またアレル頻度においても、無症候性キャリアにおいてはTの頻度がC型慢性肝炎患者に比べて有意に高かった(50%、34%、p=0.042)。 Tアレル保有者はGアレル保有者よりも、インターフェロンによりMxA蛋白の誘導能が高いといわれている。Tアレル保有者では、MxA蛋白が効率よく誘導され、肝機能障害が抑制されて無症候性キャリアになっている可能性がある。
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