2002 Fiscal Year Annual Research Report
ヒト消化器癌のp53依存性アポトーシス関連分子異常の解析及びその治療応用
Project/Area Number |
14570466
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
西田 直生志 京都大学, 医学研究科, 助手 (60281755)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
福田 善弘 京都大学, 医療技術短期大学部, 教授 (50127130)
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Keywords | 肝細胞癌 / p53経路 / p14遺伝子 / 突然変異 / 欠失 / メチル化 / 発癌 |
Research Abstract |
ヒト肝細胞癌44症例及びそれらの非癌部組織を用いp53経路関連分子であるp14遺伝子の突然変異、欠失、プロモーターのメチル化異常を、それぞれPCR-SSCP、直接塩基配列決定法、multiplex-PCR、メチル化特異的PCRを用いて検討し。さらにその遺伝子発現をReal-Time PCRを用いて解析した。また、同一症例におけるp53異常を免疫組織染色法を用いて検討した。その結果、44症例中2症例の肝癌組織にp14遺伝子エクソン2の突然変異が、また1症例の肝癌組織にp14遺伝子エクソン2の欠失が認められた。一方、p14遺伝子プロモーターの異常メチル化が認められた症例はなかった。28症例においてReal-Time PCRを用いてp14遺伝子の発現を検討し、p14遺伝子エクソン2の欠失が認められた肝癌では、その発現は認められなかったが、その他の症例では非癌部に比べ、肝癌部においてp14遺伝子の発現が亢進していた。さらにp14遺伝子の癌部での発現亢進は腫瘍の分化度と相関し、高分化肝癌と比較し低分化肝癌でより強い発現が認められ(p=0.108)、腫瘍の増殖能を反映する可能性が示唆された。一方、12症例(27.2%)の肝癌症例ではp53蛋白の免疫組織染色で強発現が認められ、p53異常があると考えられた。p53異常が認められた12症例中、高分化肝癌は1症例のみであったが、p14遺伝子の異常が認められた3症例は全例高分化肝癌であった。以上の結果より、一部の肝癌ではp14遺伝子の異常が肝発癌に関与すると考えられ、またp53異常が高分化肝癌に少ない(p=0.042)のに対しp14遺伝子は高分化肝癌にも認められ(p=0.032)発癌のより早期よりp53経路の破綻が肝発癌に関与すると考えられた。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] Nishida, N. et al.: "Chromosomal inhibility and human hepatocarcinogenesis"Histology and Histopathology. (in press). 2003
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[Publications] Nishimura, T., Nishida, N.et al.: "Comprehensive Allelotyping of Well-Differentiated Human Hepatocellular Carcinoma with Semiquantitative Determination of Chromosomal Gain or Loss"Genes, Chromosomes & Cancer. 35. 329-339 (2002)
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[Publications] Tanaka, A., Nishida, N.et al.: "Treatment of ruptured hepatocellular carcinoma"Int. J. Clin. Oncol.. 6. 291-295 (2002)
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[Publications] "Disruption of the RB pathway in the majority of human hepatocellular carcinomas"