2003 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14570472
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Research Institution | OKAYAMA UNIVERSITY |
Principal Investigator |
越智 浩二 岡山大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助教授 (60160884)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
水島 孝明 岡山大学, 医学部・歯学部附属病院, 講師 (20294407)
真治 紀之 岡山大学, 医学部・歯学部附属病院, 講師 (70314680)
小出 典男 岡山大学, 大学院・医歯学総合研究科, 教授 (20142333)
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Keywords | フリーラジカル / 膵臓 / 線維化 / 慢性膵炎 / 星細胞 |
Research Abstract |
膵の線維化は慢性膵炎の病態、特にその非可逆性に深く関与し、その成立には膵星細胞(PSC, pancreatic stellate cell)が主要な役割を演じることが明らかになってきた.アルコールは慢性膵炎の成因として重要な位置を占め、その線維化にはアルコールの代謝過程で生ずるフリーラジカル(FR)の関与が示唆されているが、そのメカニズムについては十分解明されてはいない.そこで、われわれはFRと膵の線維化のメカニズムを解明する一環として、FRの主要なスカベンジャーであるSOD(superoxide dismutase)の阻害剤であるDDC(diethyldithiocarbamate)を用い、FRがPSCに及ぼす影響を検討した.(1)ラットにDDCを週2回500mg/kg腹腔内に2週間反復投与することにより、膵に線維化が惹起され、PSCの活性化の指標であるα-SMAを用いた免疫組織染色による検討により、DDCによってα-SMA細胞の増加が観察された.この膵の線維化は経口蛋白分解酵素阻害剤であるカモスタット(CM)含有食の投与により、抑制されることが判明した.CM投与により、α-SMA陽性細胞の減少を認め、CMの膵線維化抑止効果の背景にはPSCの活性化抑制効果があることが示唆された.(2)ラットより分離培養したPSCにDDCを加えることにより、PSCの細胞内にSODの低下、過酸化脂質の上昇を認め、PSC内にFR優位の状態を惹起することが出来た.DDC投与により、PSCの活性化細胞率の増加、コラーゲン分泌の亢進、PSC培養液中のTGF-β1の増加を認めた.これらの効果はXanthine oxidaseの阻害剤であるallopurinolにより、抑制された.これらのことより、Xanthine oxidase由来のFRが直接PSCを活性化し、コラーゲンを分泌させることが示唆された.
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Research Products
(4 results)
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[Publications] Shinji T, et al.: "Establishment of a novel collagenase perfusion method to isolate rat pancreatic stellate cells and investigation of their gene expression of TGF-betal, type I"Acta Med Okayama. 56. 211-218 (2002)
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[Publications] Mizushima T, et al.: "Wnt-1 but not epidermal growth factor induces s-Catenin/T-Cell Factor-dependent transcription in esophageal cancer cells."Cancer Research. 62. 277-282 (2002)
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[Publications] Mizushima T, et al.: "Frizzled activation by Wnt-1 is required for β-Catenin-T cell factor dependent trascription in esophageal cancer."Annual reports of Misasa Medical Center, Okayama University Medical School.. 73. 75-80 (2003)
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[Publications] Andl CD, et al.: "Epidermal growth factor mediates increased cell proliferation, migration, and aggregation in esophageal keratinocytes in vitro and in vivo."J Biol Chem. 278. 1824-1830 (2003)