2003 Fiscal Year Annual Research Report
家族性大腸腺腫症における新たな生殖細胞遺伝子変異の同定
Project/Area Number |
14570476
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
飯田 三雄 九州大学, 大学院・医学研究院, 教授 (00127961)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
矢田 親一朗 九州大学, 大学院・医学研究院, 助手 (00346800)
江崎 幹宏 九州大学, 大学院・医学研究院, 助手 (50335957)
松本 主之 九州大学, 大学院・医学研究院, 助手 (10278955)
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Keywords | 家族性大腸腺腫症 / APC遺伝子 / MUTHY遺伝子 / phospholipase A2遺伝子 / 疾患修飾遺伝子 |
Research Abstract |
1.前年度までの研究を発展させ、家族性大腸腺腫症(FAP)におけるphospholipase A2遺伝子(Pla2g2a)の多型について解析した.インフォームド・コンセントを得たFAP30家系36例のgenomic DNAを分離し、Pla2g2aのexon1〜5をPCR-SSCP法およびdirect sequence法で解析した.Pla2g2aのexon3において95G>Cが高率に認められ、wild type(G/G)22例(66.1%)、hetero type(G/C)13例(36.1%),homo type(C/C)1例(2.8%)であった.表現型として、胃底腺ポリープの陽性率はwild typeで42%であったがhomo+hetero typeでは71%であった(P=0.036).一方、骨腫の陽性率はwild typeで93%であったが、homo+hetero typeでは53%にすぎなかった(P=0.023).以上より、Pla2g2aがFAPの疾患修飾遺伝子の1つである可能性が示唆された. 2.FAPの新たな原因遺伝子の候補として塩基除去修復遺伝子の一つであるMUTYH遺伝子に着目し、インフォームド・コンセントを得た多発性大腸腺腫患者(3例)とAPC遺伝子変異陰性FAP12家系13例のgenomic DNAをPCR法で解析した.多発性大腸腺腫ではMUTYH遺伝子に変異は指摘できなかったが、FAP患者3例でMUTYH遺伝子エクソン8ないし16に変異バンドを認め、本遺伝子がFAPに関与する可能性が示唆された.今後、変異陽性例の塩基配列についてさらに解析を加える予定である.
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Research Products
(3 results)
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[Publications] Matsumoto T: "Chromoscopy might improve diagnostic accuracy in cancer surveillance for ulcerative colitis"Am J Gastroenterol. 98. 1827-1833 (2003)
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[Publications] 松本主之: "大腸癌診断におけるX線検査の意義.診断の立場からみた内視鏡検査との比較"胃と腸. 39. 885-897 (2003)
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[Publications] 松本主之: "大腸ポリープの治療と大腸癌の予防"medicina. 40. 1539-1542 (2003)