2002 Fiscal Year Annual Research Report
SAGE法によるヘリコバクターヘルマニー感染応答遺伝子の解析
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14570479
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
村瀬 邦彦 長崎大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 助教授 (30274640)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
磯本 一 長崎大学, 医学部附属病院, 助手 (90322304)
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Keywords | Helicobacter heilmanni / Helicobacter pylori / VacA / CagA / SAGE |
Research Abstract |
Helicobacter heilmannii、Helicobacter pyloriなどのHelicobacter属が胃粘膜に感染し宿主免疫応答を引き起こす際、空砲化毒素(VacA)が重要な病原因子である。そこで、VacAに着目し、その分離・精製を試みた。まず、精製・分離には大量の菌体を必要とするため、上記標準株を液体培養する系を構築した。同培養上清から、ゲルろ過やHPLC法などさまざまな分離法を試み、VacA活性を有する分画を探索した。VacA活性をneutral red及びflow cytometry法にて確認した結果、同分画にVacA活性を有する成分を分離でき、さらに精製することに成功した。但し、渉猟し得るVacA蛋白量は微量であり、さらなる調整が必要である。さらにVacAに対する宿主免疫応答を解析する目的で、C57BL mouseにVacAを投与し病原性を確認したが、病変は軽微であり、さらに大量のVacAを要するものと考えている。VacA以外に、cytotoxin-associated gene A(CagA)と呼ばれる病原因子もまた、細胞増殖や運動能などを引き起こし、発ガンとの関連で注目されている。しかし、Helicobacter heilmanniiがCagAを有しているかは明らかでないため、cagA(或いはcag pathgenicity island genes)の遺伝子の存在を確認してる。VacAのより精巧な分離・精製を開発していき、同菌の宿主免疫応答をSAGE法で網羅的に解析していきたい。
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