2004 Fiscal Year Annual Research Report
原発性胆汁性肝硬変の進展度診断に役立つ血清マーカー測定法の開発と応用
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14570481
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
大曲 勝久 長崎大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 講師 (90244045)
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Keywords | 原発性胆汁性肝硬変 / 抗ミトコンドリア抗体 / ELISA法 / Weatern blotting / 疫学 |
Research Abstract |
本年度も引き続き原発性胆汁性肝硬変(PBC)における抗ミトコンドリア抗体(AMA)の意義について検討した。前年度までに明らかにした蛍光抗体間接法(IF-AMA)、ELISA法による「抗ミトコンドリアM2抗体」、Western blotting法(WB法)、enzyme inhibition assay(EIA法)など各種AMA測定法の特徴を踏まえた上で、わが国における一般人口でのAMA陽性率および、それより類推されるPBCの有病率について考察した。その結果、我が国には約33万人のAMA陽性者、約3-4万人のPBCが存在し、そのうち約2万人がPBCと診断されて現在医療機関に通院しているとおもわれる。AMA陽性者の何%がPBCを発症するのか、いかにして効率よく早期のPBC患者を発見し、いかにしてその進行を予防しているのかが今後解決すべき課題とおもわれ、そのためにより感度・特異性が高く測定に簡便・安価なAMA測定法を開発する必要があり、本研究を断続することでPBCの自然史ひいては病因・病態の解明につなげていければと考えている。 次に、IF-AMA陰性のPBCの自然経過について検討した。現在IF-AMA陰性のPBC(抗核抗体陽性の場合は一般に自己免疫性胆管炎と呼ばれている)がIF-AMA陽性のPBCと同一の疾患なのか、別の疾患概念なのかは議論のあるところであり、これを検討するために32例のPBC患者の各種AMA測定法による経時的変化を測定した。その結果、22%は経過中IF-AMAの結果が変動していた。AMAの判定をWB法にすると97%は変動せず、したがってPBCの診断にはWB法によるAMAの判定が重要であるとおもわれた。
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Research Products
(2 results)