2005 Fiscal Year Annual Research Report
原発性胆汁性肝硬変の進展度診断に役立つ血清マーカー測定法の開発と応用
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14570481
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
大曲 勝久 長崎大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 講師 (90244045)
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Keywords | 原発性胆汁性肝硬変 / 抗ミトコンドリア抗体 / ELISA法 / Western blotting / 自己免疫性胆管炎 |
Research Abstract |
前年度に引き続き、原発性胆汁性肝硬変(PBC)における抗ミトコンドリア抗体(AMA)の意義について研究を進めた。特に今年度はAMA陰性のPBC、すなわち自己免疫性胆管炎(AIC)の臨床的意義について考察した。AICとはPBCに矛盾しない組織所見を呈しながら、血清学的にはAMAが陰性で抗核抗体が陽性を示す疾患として提唱された。当初は自己免疫性肝炎(AIH)に近いとされたが、その後の検討により、AICはPBCにより近い疾患群、さらにはAMA陰性PBCと同一であるとする主張が大勢を占めるようになった。しかしながら、AICにおける「AMA陰性」の定義をどうするかなど、いまだコンセンサスが得られたAICの診断基準がないのが現状である。これまでの報告の多くが、すでにPBCと診断された症例を対象としたretrospectiveな検討であり、したがって、Selection biasを極力排除したprospectiveな検討によってもう一度AICを検討し直してみる必要があると考えられた。 さらに、経済性・簡便性に優れたenzyme inhibition assay法によるAMA測定の意義を、これまでの研究成果を踏まえて検討した結果、特に発展途上国などでの一般住民におけるPBCのスクリーニングに適している可能性が示唆された。以上より、PBCの診断におけるAMA測定の役割は大きなものであるが、いまだgold standardと言える測定法はなく、今後、さらなるAMA測定法の改良、開発が必要であると考えられた。
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Research Products
(2 results)