2004 Fiscal Year Annual Research Report
炎症時における腸管由来抗原提示細胞の動員と遊走の調節機構
Project/Area Number |
14570507
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
永田 博司 慶應義塾大学, 医学部, 助教授 (00146599)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鈴木 秀和 慶應義塾大学, 医学部, 講師 (70255454)
末松 誠 慶應義塾大学, 医学部, 教授 (00206385)
南谷 晴之 慶應義塾大学, 理工学部, 教授 (70051779)
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Keywords | マクロファージ / 樹状細胞 / 腸炎 / 腸間膜リンパ管 / 腸間膜リンパ節 / ケモカイン / リンパ球ホーミング |
Research Abstract |
(1)腸間膜リンパ節転移におけるマクロファージの遊走 癌細胞投与3時間後から12時間後に胚中心を有するリンパ濾胞の優位な増生がみられ、24-48時間後に髄索のリンパ球の増殖がみられた。96時間後には辺縁洞下に常在するマクロファージは辺縁洞内に侵入集積し、癌細胞と接触していた。癌細胞の一部はアポトーシスに陥り、これをマクロファージが貪食していた。すなわち臨床的に予後良好な所属リンパ節の病理所見であるgerminal center predominance、lymphocyte proliferation、sinus histiocytosisが実験的転移モデルにおいて早期に認められた。リンパ節旁皮質に分布する樹状細胞の癌胞巣への遊走は認めなかった。 (2)リンパ節早期転移おけるサイトカインの早期反応 リンパ節組織中のTNF-αは癌細胞注入1時間後にIL-1βは3時間後に有意の増加を示した。癌細胞が辺縁洞を越えてリンパ節実質に浸潤する96時間後には、いずれのサイトカインも有意に減少していた。TNF-αの局在は辺縁洞下マクロファージと、IL-1βは髄洞周囲のマクロファージの分布と一致していた。所属リンパ節は癌細胞が辺縁洞に流入した直後から免疫応答を生じ、マクロファージから炎症性サイトカインが放出され、一過性に癌細胞が減少すると考えられた。 (3)樹状細胞のリンパ節移行 腸管由来の樹状細胞のうち、未熟なものは貪食能が高いが抗原提示能は低く、逆に成熟なものは貪食能が低いが抗原提示能は高かった。接着因子のICAM-1、CD11b/cに対する抗体で樹状細胞を前処置しても遊走能は変化しないが、サイトカイン処置により樹状細胞は成熟化し、ケモカインレセプターの発現が変化して所属リンパ節遊走kineticsが変化した。
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Research Products
(4 results)