2002 Fiscal Year Annual Research Report
自己免疫性胆管障害を構築する多段階免疫誘導を用いたPBCモデルの作製と病態解析
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14570512
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Research Institution | Jikei University School of Medicine |
Principal Investigator |
銭谷 幹男 東京慈恵会医科大学, 医学部, 助教授 (70138767)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高橋 宏樹 東京慈恵会医科大学, 医学部, 助手 (80256403)
戸田 剛太郎 東京慈恵会医科大学, 医学部, 教授 (40090500)
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Keywords | 原発性胆汁性肝硬変 / 動物モデル / PDC-E2 |
Research Abstract |
本研究は、原発性胆汁性肝硬変(PBC)発症への関与が推定される 1. 胆管抗原を提示する樹状細胞群による自己反応性CD4、CD8細胞の活性化 2. 免疫調節性細胞の制御、胆管細胞の免疫制御分子発現制御による免疫寛容破綻の誘導 3. 炎症性サイトカイン投与による肝内免疫環境変化の誘導 の各応答の段階的再構築による実験的PBCモデル作製と病態解析を目的とする。 今年度は、胆管細胞関連抗原提示樹状細胞群を用いたPBCモデルの作製を試みた。まずマウス骨髄より細胞を分離しIL-4、G-CSF添加培養し成熟DCを得た。このDCにPDC-E2ペプチドをパルスした後にマウスに皮下投与し、胆管病変誘導の有無を組織学的に検討するとともに、投与したマウスの脾内、肝内T細胞のPDC-E2ペプチドに対する反応性を検討した。その結果、PDC-E2ペプチドをパルスしたDCによる免疫では胆管細胞障害を誘導できないことが明らかにされた。このことから、PDC-E2ペプチドが胆管細胞に対する自己免疫反応を誘導し得る自己抗原であるか疑問が残った。 一方、自己免疫現象の誘導には免疫調節性細胞の機能不全による免疫寛容維持機構の破綻が関与する可能性もあるため、現在、代表的な免疫調節性細胞であるCD25、CD4陽性細胞を抗CD25モノクローナル抗体を用いて除去したマウスにPDC-E2ペプチドをパルスしたDCを投与し、胆管細胞障害が誘導できないか検討中である。さらに、DCへのPDC-E2ペプチドパルスに変わる方法として、分離胆管細胞とDCの融合細胞の免疫により胆管細胞障害の誘導を試みている。
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