2003 Fiscal Year Annual Research Report
EGFにて誘導される早期発現遺伝子のプロファイリングと機能解析
Project/Area Number |
14570518
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
荒川 泰行 日本大学, 医学部, 教授 (50059698)
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Keywords | EGF / プロファイリング / GADD45 / シグナル伝達 |
Research Abstract |
申請者はEGF刺激によってGADD45遺伝子群(GADD45 alpha・beta・gamma)発現量が変動する現象について、MAP kinase(MAPK)/Extracellular signal-regulated kinase(ERK)の活性化の関与を確認するため、MEK阻害剤(PD98059)を添加した上で実験を行った。PD98059(20μM)を培地に添加したNIH3T3細胞をEGF(100ng/ml)にて刺激し0・5・15・30・60・120分後のGADD45遺伝子群(GADD45 alpha・beta・gamma)発現量についてRT-PCR法・RNase protection assayにて検討を行ったところ、いずれのGADD45遺伝子群も発現量変化を認めなかった。同細胞より抽出した蛋白を用いたWestern blot法による発現量の検討についても、EGF投与群および非投与群はいずれのGADD45蛋白についても発現量の変化を認めなかった。以上の結果より、EGF刺激によるGADD45 alpha・beta・gamma遺伝子の発現量の変化においては、MAPK/ERKの活性化が関与することが強く示唆された。 次に申請者はEGF刺激によるGADD45遺伝子の発現量変化に伴うJNK経路およびp38 MAP kinase経路の活性化について検討を行った。NIH3T3細胞をEGF(100ng/ml)にて刺激し、0・5・15・30・60・120分後の細胞蛋白を用いてJNKおよびp38 MAP kinaseを特異的抗体にて免疫沈降し、In vitro kinase assayを行った。EGF投与15分後においてJNK活性化(約2.2倍)を認めたが、同30-120分後ではJNK活性化は認めなかった。p38 MAP kinaseについてはEGF投与0-120分後において活性に変化を認めなかった。申請者はJNK活性を抑制すると考えられているGADD45 betaに注目し、以下の実験を行った。GADD45 beta-siRNAを発現導入したNIH3T3細胞をEGF(100ng/ml)にて刺激しJNK活性化を検討したところ、EGF投与0-60分後において著明なJNK活性化(約3-6倍)を認めた。以上の結果より、EGF刺激におけるJNK活性化についてはGADD45 betaの発現量低下が関与する可能性が考えられた。今後申請者はEGF刺激によるGADD45 betaの発現量低下のメカニズムについて詳細に検討する予定である。
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