2003 Fiscal Year Annual Research Report
バクテリオファージで作製したペプチド抗原に対するクローン病リンパ球の遺伝子発現
Project/Area Number |
14570525
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Research Institution | Hyogo College of Medicine |
Principal Investigator |
福田 能啓 兵庫医科大学, 医学部, 助教授 (60148640)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田村 和朗 兵庫医科大学, 医学部, 助教授 (20278823)
小坂 正 兵庫医科大学, 医学部, 助手 (90330464)
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Keywords | クローン病 / 炎症性腸疾患 / 遺伝子発現 / DNAマイクロアレイ / 抗CDP抗体 / ABCB1遺伝子 / C3435T多型 |
Research Abstract |
クローン病10症例、健常対象者9例の抹消血中、白血球由来の総RNAを抽出し、Van Gelderらの方法に従って、T7RNAを増幅した。4608genesを用いたパネルにおいてmicroarray hybridizationを行った。発現した遺伝子をクラスター解析し、疾患群と健常対象群とで比較したところ、遺伝子発現が異なるパターンを示した。現在発現パターンの異なる遺伝子群の解析を進めている。疾患群においては、臨床症状、病変の広がり、病勢指標との関連性、治療内容の相違における発現の変化などを分析中である。一方、バクテリオファージによるペプチドライブラリーから選別した9種アミノ酸からなる4種類のペプチドを用いた抗CDP抗体測定系を作成した。この測定系による血清抗CDP抗体の存在はクローン病患者に特異的であり、56.5%で陽性であったが、潰瘍性大腸炎や健常対象者では陰性であった。分離採取した白血球細胞とCDP抗原との接触で、クローン病初期あるいは潰瘍性大腸炎との鑑別診断困難例に有用であり、早期治療方針決定に貢献できる。 ペプチド抗原より疾患感受性遺伝子候補を探索し、その一つであるATP-binding cassette, subfamily B, member 1(ABCB1遺伝子のC3435T多型解析を行った。クローン病の上部消化管病変を有する患者群(Vienna分類:L4)で3435Cアレルの関与が示唆された。
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Research Products
(14 results)
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[Publications] 高添正和, 福島恒男ほか4名: "IBD患者支援の現状と将来像"消化器外科ナーシング. 8・1. 54-57 (2003)
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[Publications] 小坂 正, 福田能啓ほか6名: "クローン病に対する抗TNF-α抗体(infleximab:レミケード)の使用経験"新薬と臨床. 52. 691-699 (2003)
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[Publications] 田村和朗, 福田能啓ほか3名: "炎症性疾患の疾患感受性遺伝子の解析"臨床消化器内科. 18. 808-816 (2003)
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[Publications] 福田能啓, 江崎弘彦ほか: "クローン病における魚油投与の意義"臨床消化器内科. 18. 873-890 (2003)
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[Publications] 福田能啓, 馬場裕子ほか8名: "クローン病における血中抗体測定の意義"臨床消化器内科. 18. 891-898 (2003)
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[Publications] 福永 健, 澤田康史ほか2名: "炎症性腸疾患に対する細胞成分除去療法"外科治療. 89. 271-277 (2003)
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[Publications] 福田能啓, 富田寿彦ほか4名: "環境因子からみたクローン病の病因・病態-食餌因子異常とその調節"G.I.Research.. 11. 519-525 (2003)
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[Publications] Fukuda, Y., Tamura, T.ほか4名: "Validation of the accuracy of the H.pylori stool antigen test (HpSA) in the Japanese population."Dig.Liver Dis.. 35. 61-65 (2003)
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[Publications] 小坂 正, 福田能啓, 下山 孝: "クローン病における微量元素欠乏症への対策"消化と吸収. 25(1). 26-28 (2003)
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[Publications] 福田能啓, 富田寿彦ほか3名: "クローン病の下痢症状に対するprobioticsの臨床効果"消化と吸収. 25. 5-8 (2003)
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[Publications] 小坂 正, 福田能啓ほか6名: "クローン病に対する抗TNF-抗体(inflixmab)の使用経験"新薬と臨床. 52. 5 (2003)
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[Publications] Fukunaga, K., Sawada, K.ほか7名: "Extracorporeal monocyte granulocytopheresis (M-GCAP) was effective for a patient of erythema nodosum concomitant with ulcerative colitis."Ther.Apjer.and Dial.. 7. 122-126 (2003)
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[Publications] Fukunaga, K., Fukuda Y.ほか7名: "A case of poorly controlled ulcerative colitis brought to colectomy while maintaining remission by applying different techniques of extracorporeal leukocyte removal therapy."J.Gastroenterol. 38. 684-689 (2003)
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[Publications] 小坂 正, 富田寿彦, 福田能啓: "大腸型クローン病の1例"医療ジャーナル社. 50-53 (2003)