2003 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14570527
|
Research Institution | Kurume University |
Principal Investigator |
光山 慶一 久留米大学, 医学部, 講師 (20200066)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鈴木 飛鳥 久留米大学, 医学部, 助手 (30341324)
富安 信夫 久留米大学, 医学部, 助手 (20289424)
西山 努 久留米大学, 医学部, 助手 (70279157)
|
Keywords | STAT3 / 可溶性gp130 / 炎症性腸疾患 |
Research Abstract |
昨年度よりSTAT3シグナルを抑制することのできるSTAT3アンチセンスオリゴヌクレオチドの検索をin vitroで行ったが、結局強力な抑制作用を有するものは得られなかった。そのためSTAT3を標的とした腸炎の治療戦略としてアンチセンスオリゴヌクレオチドを用いた方法は断念し、化合物による方法に変更した。化合物としてはSTAT3の活性化を促進させるIL-6/sIL-6R融合蛋白(Hyper IL-6)と、STAT3の活性化を抑制させる可溶性gp130を使用してまずin vitroでの実験を実施した。肝癌細胞株の培養上清中にIL-6とともにHyper IL-6を添加するとHyper IL-6の濃度依存性に細胞増殖応答の促進がみられた。一方、可溶性gp130を添加すると細胞増殖応答の抑制がみられた。このことより、Hyper IL-6によるSTAT3の活性化促進作用と、可溶性gp130によるSTAT3の活性化抑制作用が確認された。つぎに腸炎の自然発症モデルであるSAMP1/Yitマウスを用いた実験を行った。SAMP1/Yitマウスの腸粘膜を用いて免疫組織化学的染色とWestern blotによりSTAT3の発現を検討すると、本マウスではコントロールマウスに比べてSTAT3の過剰な活性化がみられた。この結果を踏まえてSAMP1/YitマウスにHyper IL-6または可溶性gp130の投与し腸炎の重症度を対照投与群と比較した。SAMP1/Yitの腸炎はHyper IL-6を投与することにより重症化し,逆に可溶性gp130を投与することにより軽減した.これらの結果より、IBDの病態にSTAT3の活性化が深く関与していることが確認された.さらに,可溶性gp130などを用いたSTAT3の制御がIBDの治療標的となり得ることが示唆された.
|
Research Products
(6 results)
-
[Publications] Kanauchi O, Mitsuyama K, et al.: "Modification of intestinal flora in the treatment of inflammatory bowel disease"CurrentPharmaceuticalDesign. 9. 333-346 (2003)
-
[Publications] Kanauchi O, Mitsuyama K, et al.: "Germinated barley foodstuff, a prebiotic product, ameliorates inflammation of colitis through modulation of the enteric environment"Journal of Gastroenterology. 38. 134-141 (2003)
-
[Publications] Takedatsu H, Mitsuyama K, et al.: "Interleukin-5 participates in the pathogenesis in the murine model of Crohn's disease"European Journal of Immunology. in press. (2004)
-
[Publications] 光山慶一: "炎症性腸疾患に対する最新の内科的治療"日本大腸肛門病会誌. 56. 826-833 (2003)
-
[Publications] 松本敏, 光山慶一: "腸内細菌を標的とした炎症性腸疾患の治療:プロバイオティクスとプレバイオティクス"臨床消化器内科. 18. 101-109 (2003)
-
[Publications] 富安信夫, 光山慶一, 他: "潰瘍性大腸炎に対する発芽大麦の作用機序と臨床応用"消化器科. 37. 550-557 (2003)