2002 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14570546
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
藤村 政樹 金沢大学, 医学系研究科, 助教授 (90190066)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
北 俊之 金沢大学, 医学系研究科, 助手 (40324082)
安井 正英 金沢大学, 医学部附属病院, 講師 (60239746)
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Keywords | 慢性咳嗽 / アトピー咳嗽 / 咳喘息 / ニューロペプチド / 原因アレルゲン / 長期予後 |
Research Abstract |
1.基礎的研究 1.アトピー咳嗽の咳感受性亢進の機序 2001年に確立したモルモットのアトピー咳嗽モデルを用いて、1)咳感受性亢進には、ニュートラルエンドペプチダーゼ活性の低下が重要であり、カルボシステインがこの活性低下を抑制すること 2)咳感受性亢進には、ニューロキニン1受容体が深く関与し、その拮抗薬が新しい強力な治療薬となる可能性が大きいことを明らかにした。 2.咳感受性に与える気道への機械的ストレスの影響 咳発作を想定した気道への圧負荷は、咳感受性を亢進させ、さらに気道への好中球浸潤を招来することが明かとなった。すなわち、咳嗽の悪循環回路の存在が示された。 II.臨床的研究 1・アトピー咳嗽の疾患概念の確立 従来からの臨床研究によって明かとなっているアトピー咳嗽の生理学的・病理学的病態に加えて、長期予後に関する研究成績の一部が明かとなった。すなわち、1)咳喘息では約30%の患者が喘息に移行するのに対して、アトピー咳嗽は喘息に移行しない、2)吸入ステロイド療法は、咳喘息から喘息への移行を阻止できる、3)咳喘息患者とアトピー咳嗽患者の経年的呼吸機能の低下は、正常者のそれと差と認めない、ことが明かとなった。これらの成績、とくに1の成績(Thorax.2003年1月号掲載)によって、アトピー咳嗽は新規疾患概念として国際的にも認知されるに至った。 2.アトピー咳嗽の原因アレルゲンの検索 個々の症例に関する検討によって、環境真菌であるHumicola fuscoatraがアトピー咳嗽の原因アレルゲンとして重要であることが示唆され、今後の臨床的研究の重要性が強まった。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] Fujimura M, Mizuguchi M, Nakatsumi Y, Mizuhashi K, Sasaki S, Yasui M.: "Addition of two-month low-dose levofloxacin to the long-term erythromycin therapy in sinobronchial syndrome"Respirology. 7巻4号. 317-324 (2002)
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[Publications] Ogawa H, Fujimura M, Touhoku Y: "Isolated chronic cough with sputum eosinophilia caused by Humicola fuscoatra antigen : The importance of environmental survey for fungus as an etiologic agen"Journal of Asthma. 39巻4号. 331-336 (2002)
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[Publications] Fujimura M, Ogawa H, Nishizawa Y, Nishizawa K: "Comparison of atopic cough with cough variant asthma : Is atopic cough a precursor of asthma?"Thorax. 58巻1号. 14-18 (2003)
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[Publications] 藤村政樹: "慢性咳嗽を診る"医薬ジャーナル社. 223 (2002)