2003 Fiscal Year Annual Research Report
肺癌・悪性胸膜中皮腫における新規癌関連遺伝子の同定と機能解析
Project/Area Number |
14570548
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
関戸 好孝 名古屋大学, 医学部附属病院, 講師 (00311712)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
下方 薫 名古屋大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (10022906)
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Keywords | 悪性胸膜中皮腫 / 肺癌 / 染色体3p / カテニン / ポジショナルクローニング / 遺伝子 / 細胞株 / 発癌 |
Research Abstract |
悪性胸膜中皮腫細胞株NCI-H28における3p21.3ホモザイガス欠失領域内においてβ-cateninの欠失(exon2以降)および新規癌関連遺伝子候補遺伝子MTSK1(仮称)の欠失(3'領域)を同定した。MTSK1遺伝子の予想されるオープンリーディングフレーム(1275アミノ酸)においてゲノミックPCR-SSCP法にて悪性胸膜中皮腫9検体および肺癌検体63検体(細胞株40株、外科切除標本23検体)を解析したが、体細胞突然変異は認められなかったが、稀な一塩基多型を複数同定した。MTSK1遺伝子はさらに短い2種類のオールタナティブスプライシングフォームが存在することが明らかになった。pcDNA3.1ベクターに、それぞれのインサートを組み込み、カルボキシル末端にヒスチジンタッグ(+)及び(-)の発現ベクターを構築した。NCI-H28株およびp53癌抑制遺伝子のホモザイガス欠失の存在する肺癌細胞株NCI-H1299にトランスフェクションしたところウエスタンブロット法にてその発現が確認された。コロニー形成能を測定したところNCI-H28細胞株においてMTSK1導入による増殖能の抑制が示唆された。一方、154人の原発性肺癌患者から手術切除した肺癌検体を用い、R4Sの変異検索を行った。11例のKRAS変異が認められマイクロダイセクション法にてアリル欠失を検討した結果、そのうち9つの腫瘍は野生型KRASを保持していることが明らかになり、変異型KRASの過剰発現がKRASの活性化にとって重要であることが示唆された。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] Noriyasu Usami: "β-catenin gene inhibits cell growth of a malignant mesothelioma cell line, NCI-H28, with a 3p21.3 homozygous deletion"Oncogene. 22. 5978-5986 (2003)
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[Publications] Mika Uchiyama: "Loss of heterozygosity of chromosome 12p does not correlate with KRAS mutation in non-small cell lung cancer"Int.J.Cancer. 107. 962-969 (2003)
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[Publications] Yoshitaka Sekido: "Molecular Genetics of Lung Cancer"Annu.Rev.Med.. 54. 73-87 (2003)
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[Publications] Osamu Maeda: "Plakoglobin (γ-catenin) has TCF/LEF family-dependent transcriptional activity in β-catenin deficient cell line"Oncogene. 23. 964-972 (2004)