2002 Fiscal Year Annual Research Report
β_2受容体刺激誘起性気道粘膜リモデリングにおける細胞内シグナルの解明
Project/Area Number |
14570566
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Research Institution | Tokyo Women's Medical University |
Principal Investigator |
玉置 淳 東京女子医科大学, 医学部, 助教授 (60147395)
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Keywords | β_2受容体 / アドレナリン / 気道リモデリング / 気道上皮細胞 / サイトカイン / 上皮成長因子 / サルブタモール / 喘息 |
Research Abstract |
1.吸入用β_2刺激薬の慢性暴露:SPF-SDラットをFlow-throughチェンバー内で飼育し,超音波ネブライザーを用いてサルブタモール(0.8,8,80μg)あるいは生理食塩水を毎日20分間,6週間まで吸入させた. 2.気管粘膜の形態計測とDNA合成の評価:サルブタモール吸入群では,生理食塩水吸入群に比較して,気道粘膜の基底膜直上から上皮細胞遊離縁までの距離(epithelial layer thickness)および基底膜100μmあたりの上皮細胞数が時間依存的,用量依存的に増加した.また,気道粘膜層におけるBrdUの細胞内への取り込みも増加し,DNA合成の亢進が示唆された.これらの形態変化およびDNA合成は,EGFRのチオシンリン酸化の特異的阻害薬であるAG1478の前投与によりほぼ完全に抑制され,上記のサルブタモールの効果におけるEGFR活性化の役割が明らかとなった. 3.リン酸化EGFRの遺伝子および蛋白発現(In vivo):上記のサルブタモールの効果が実際にEGFRのリン酸化を介しているかを確認する目的で,in situ hybridizationを用い,気管粘膜上皮層におけるリン酸化EGFR mRNAの発現を,またリン酸化EGFRのモノクローナル抗体を用いて免疫組織化学を行い,タンパク質レベルでの発現も検討した.その結果,サルブタモール吸入群では,気道上皮細胞でリン酸化EGFR mRNAが観察され,さらにEGFR様免疫活性の発現も認められた.
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Research Products
(4 results)
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[Publications] 玉置 淳: "気管支喘息における気道リモデリングをめぐって"呼吸器科. 2. 307-311 (2002)
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[Publications] 玉置 淳: "気道粘膜のリモデリングと杯細胞・CFTR"喘息. 15. 68-72 (2002)
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[Publications] 玉置 淳: "β刺激薬の気管支拡張作用(短時間作用型と長時間作用型)"喘息治療におけるβ刺激薬. 113-133 (2002)
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[Publications] Tamaoki Jun: "β-Adrenergic receptor-mediated growth of human airway epithelial cell lines"European Respiratory Journal. 20. 353-358 (2002)