2002 Fiscal Year Annual Research Report
EGF受容体(EGFR)活性化を介した気道ムチン遺伝子MUC5AC発現調節機構の解明
Project/Area Number |
14570567
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Research Institution | Tokyo Women's Medical University |
Principal Investigator |
武山 廉 東京女子医科大学, 医学部, 助手 (00339003)
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Keywords | EGF受容体(EGFR) / 気管支喘息 / 杯細胞 / MUC5AC / 気道リモデリング / 気道抵抗 / ムチン / 気道上皮 |
Research Abstract |
1.Brown-Norwayラットに対し、卵白アルブミン(10mg)と水酸化アルミニウム(100mg)をDay1、Day7に腹腔内投与し、卵白アルブミン(0.1%,1ml)の吸入刺激をDay14、Day15、Day16に施行、気道の形態評価(Alcian blue/PAS染色、MUC5AC免疫染色)と気管支肺胞洗浄による細胞組成の解析をDay18、Day30に行った。 2.気道上皮杯細胞化成、炎症細胞浸潤、気道過敏性の経時的評価:気道上皮に対するAlcian blue/PAS染色陽性領域はDay14(吸入刺激前、8.7±2.8%)に比較して、Day18(最終吸入刺激48時間後)では68.5±5.8%と有意に高値を示したが、Day30(吸入刺激2週後)には12.7±4.5%と自然回復傾向を認めた。BALF中の細胞分画は、Day14(好酸球2%、好中球3%、マクロファージ95%)に比較して、Day18では好酸球25%、好中球12%と炎症細胞の気道腔への浸潤が認められたが、この変化も杯細胞化成と同様にDay30には消退傾向(好酸球3%、好中球3%、マクロファージ94%)を示した。一方メサコリンに対する気道過敏性(penH)は、Day18において著明な増強を認め、Day30においても継続して観察された。以上の結果より、気道リモデリングと気道過敏性の回復機構には差異が存在することが明らかとなった。 3.EGF受容体(EGFR)の発現と杯細胞化成に対するEGFR活性化の関与:EGFRの発現はDay14ではほとんど認められなかったが、Day18では杯細胞、基底細胞に一致して発現の増強が観察された。杯細胞化成に対するEGFR活性化の関与を明らかにするため、EGFRの特異的リン酸化阻害薬であるAG1478をDay18より経気道的に投与したところ、杯細胞の消退が促進された。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] 武山 廉: "喫煙刺激による気道ムチンMUC5ACの発現におけるEGF受容体を介した細胞内情報伝達系の役割"日本呼吸器学会雑誌. 40. 172 (2002)
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[Publications] 武山 廉: "杯細胞"分子呼吸器病. 6(1). 5-8 (2002)
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[Publications] Kondo M, Tamaoki J, Takeyama K et al.: "Interleukin-13 induces goblet cell differentiation in primary cell culture from Guinea pig tracheal epithelium"Am J Respir Cell Mol Biol. 27(5). 536-541 (2002)
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[Publications] 武山 廉: "気管支喘息における過分泌"内科. 90(4). 704-707 (2002)
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[Publications] Takeyama K et al.: "Effect of macrolide antibiotics on MUC5AC production in airway epithelial cells in vitro"Eur Respir J. Abstruct book. (2002)