2003 Fiscal Year Annual Research Report
EGF受容体活性化を介した気道ムチン遺伝子MUC5ACの発現調節機構の解明
Project/Area Number |
14570567
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Research Institution | Tokyo Women's Medical University, School of Medicine |
Principal Investigator |
武山 廉 東京女子医科大学, 医学部, 助手 (00339003)
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Keywords | 気管支喘息 / 杯細胞 / 気道リモデリング / 上皮成長因子受容体 / アポトーシス / MUC5AC / ムチイン / 気道過敏性 |
Research Abstract |
1.MUC5ACの発現に対するEGFRの関与を検討する目的で、気道上皮NCI-H292細胞を用いEGFRリガンドであるTGFαを24時間添加培養し、免疫染色、ELISAにてMUC5AC、抗アポトーシス蛋白であるBcl-2の発現を検討した。さらに選択的EGFRチロシンキナーゼ阻害薬であるAG1478,MEK阻害剤であるPD98059,カスパーゼ阻害剤であるZ-VAD-fmkを前処置した群においても同様の検討を行った。また各群における粘液分泌細胞のアポトーシスをタネル染色にて評価した。 2.TGFα刺激によりMUC5ACおよびBcl-2の発現は増強を認めた。AG1478の前処置はMUC5ACおよびBcl-2の発現増強効果を抑制し、粘液分泌細胞のアポトーシスを促進した。一方、PD98059はMUC5ACの発現を抑制したがアポトーシスには影響を与えなかった。またZ-VAD-fmkはAG1478によるアポトーシス増加を抑制した。卵白アルブミン感作ラットでは卵白アルブミン吸入刺激により杯細胞過形成および気道上皮でのEGFR、MUC5ACの発現増強を認めた。AG1478の経気道投与により杯細胞にアポトーシスの増加が認められ、杯細胞過形成からの回復傾向が認められた。 3.以上の結果より、気管支喘息ではEGFRの発現が増強し、その活性化はMUC5AC発現と抗アポトーシス蛋白(Bcl-2)の発現により杯細胞過形成を促進し維持する方向に働くことが推測された。すなわちEGFRチロシンキナーゼ阻害薬はMUC5AC発現抑制と杯細胞のアポトーシス促進により杯細胞過形成を改善する可能性が示唆された。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] 武山廉: "杯細胞"分子呼吸器病. 6. 5-8 (2002)
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[Publications] 武山廉: "気管支喘息における過分泌."内科. 90. 704-707 (2002)
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[Publications] Takeyama K et al.: "Effect of macrolide antibiotics on MUC5AC production in airway epithelial cells in vitro"Eur Respir J. 20. 90S (2002)
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[Publications] Takeyama K et al.: "Restoration from goblet cell hyperplasia to normal epithelial phenotype in ovalbumin-sensitized rats"Am J Respir Crit Care Med. 167. A203 (2003)
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[Publications] Kondo M, Tamaoki J, Takeyama K, et al.: "Interleukin-13 induces goblet cell differentiation in primary cell culture from Guinea pig tracheal epithelium"Am J Respir Cell Mol Biol. 27. 536-541 (2002)
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[Publications] Tamaoki J, Takeyama K, et al.: "A Th2 cytokine inhibitor for airway inflammation in mild asthma"J Allergy Clin Immunol. 111. 197-198 (2003)