2003 Fiscal Year Annual Research Report
気道上皮細胞のシグナルと遺伝子発現解析による気管支喘息とCOPDの病態解析
Project/Area Number |
14570568
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
橋本 修 日本大学, 医学部, 講師 (30159090)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
清水 一史 日本大学, 医学部, 教授 (50004677)
堀江 孝至 日本大学, 医学部, 教授 (60090081)
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Keywords | 酸化ストレス / 気道上皮細胞 / 肺血管内皮細胞 / MAPキナーゼ / ASK1 / アポトーシス |
Research Abstract |
気道上皮細胞、肺胞上皮細胞のアポトーシスの分子機構について解析した。気管支喘息では、気道上皮細胞の障害と再生障害が炎症からリモデリングヘの進展機序の一つとして考えられており、また、COPDではCOPD症例の肺胞上皮細胞および肺血管内皮細胞にアポトーシスの所見が見られ病態との関連性が考察されている。酸化ストレスは、両者の病態形成の一端に関与していると考えられているので、今回、過酸化水素による気道上皮細胞、肺血管内皮細胞のアポトーシスの分子機構について検討した。 方法:過酸化水素でヒト気管上皮細胞(NCIH292)、ヒト肺血管内皮細胞を刺激し、ASK-1/p38MAPK/JNKのリン酸化をWestern blot法、caspase-3の活性化はcleaved caspase-3発現をWestern blot法で解析した。アポトーシスはtune染色法で解析した。遺伝子欠損ASK1導入PAE細胞を用いてASK1の分子機能の詳細を解析した。 結果 1)過酸水素化刺激によりASK1/p38MAPK/JNKのリン酸化が認められた。 2)過酸水素化刺激によりアポトーシスが誘導され、cleaved caspase-3発現が亢進した。 3)過酸水素化刺激によるアポトーシス誘導、cleaved caspase-3発現をSB203580,CEP11004は抑制した。 4)遺伝子欠損ASK1導入PAE細胞ではp38MAPK/JNKリン酸化、アポトーシス誘導、cleaved caspase-3発現の全てが低下した。 結論 過酸化水素によるヒト気管上皮細胞、ヒト肺血管内皮細胞のアポトーシスはASK1/p38MAPK/JNK経路が関与することが明らかされ、これらのシグナル分子が病態形成に関与する可能性が示唆された。
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Research Products
(7 results)
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[Publications] 橋本 修: "GOLD"内科. 91(6). 995 (2003)
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[Publications] 橋本 修: "DEP"内科. 91(6). 995 (2003)
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[Publications] 橋本 修: "気道上皮細胞のシグナル伝達とリモデリング"アレルギー科. 15(3). 251-262 (2003)
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[Publications] 橋本 修: "Apoptosis signal-regulating kinase 1-mediated signaling pathway regulates hydrogen peroxide-induced apoptosis in human pulmonary vascular endothelial cells."Crit Care Med.. 31(12). 2776-2782 (2003)
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[Publications] 橋本 修: "Role of mitogen-activated protein kinases in influenza virus induction of prostaglandin E2 from arachidonic acid in bronchial epithelial cells."Clin Exp Allergy.. 33(9). 1244-1251 (2003)
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[Publications] 橋本 修: "慢性閉塞性肺疾患における気道リモデリングとその発生機序"日本臨床. 61(12). 2054-2056 (2003)
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[Publications] 橋本 修: "ファーマナビゲーター アレルギーシリーズ、喘息編(足立 満編)"メディカルレビュー社. 317 (2003)