2002 Fiscal Year Annual Research Report
インターフェロンγ及びβの間質性肺炎・肺線維症の細胞内抑制機序に関する研究
Project/Area Number |
14570569
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Research Institution | Nippon Medical School |
Principal Investigator |
吾妻 安良太 日本医科大学, 医学部, 講師 (10184194)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
橋本 修 日本医科大学, 医学部, 講師 (30159090)
工藤 翔二 日本医科大学, 医学部, 教授 (40256912)
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Keywords | インターフェロンβ / インターフェロンγ / 肺線維症 / 間質性肺炎 / 線維芽細胞 |
Research Abstract |
目的:特発性間質性肺炎ならびに肺線維症は予後不良のびまん性肺疾患であり、病態や予後を改善する治療法の開発が切望されている。そのため病態の解明が急務である。欧米で開始された本症へのインターフェロン(IFN)治療が疾患の改善につながるか結論は出ておらず、病態への作用機序も不明な点が多い。まず肺線維症の改善が認められるかどうか?さらにそのメカニズムはどうか?臨床応用を念頭におき、投与経路の違いによる効果の比較検討を行い、一方、作用点の解明を目的として、In vitro試験を介して関与分子の解明を図る。 対象と方法:7週齢、C57BL/6雄マウスを用い、生食投与群、BLM単独投与群、BLMとIFN経鼻投与群ならびに皮下注投与群を設定し、BLM肺線維化の評価モデルを用いて、BLM投与後28日の肺組織の病理組織学的比較検討を行った。BLM投与後、0時間から168時間まで経時的に気管支肺胞洗浄を行い、総細胞数と細胞分画を算定した。また、線維芽細胞抹(MLg2908)を用いて、IFNによる増殖抑制作用を検討した。 結果と考察:1)in vivo実験ではIFN併用群では肺炎症の程度が増強する傾向が見られた。2)in vitro研究ではIFN-γは単独で(10-1000μg/ml)MLg2908を抑制しないが、TGF-βによる増殖促進を抑制した。高濃度(4000μg/ml)ではさらに抑制する。IFN-βは単独で(10-1000μg/ml)MLg2908を抑制するが、TGF-βによる増殖促進を抑制しなかった。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] 吾妻安良太: "特発性間質性肺炎の薬剤開発動向"Annual Review呼吸器2003. 236-247 (2003)
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[Publications] 吾妻安良太: "インターフェロンの臨床-ひとくちメモ-特発性肺線維症とインターフェロン療法"日本医師会雑誌. 128. 1070-1071 (2002)
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[Publications] 吾妻安良太: "特集・臨床:特発性肺線維症(IPF)に対する最近の臨床試験"分子呼吸器病. 6. 313-321 (2002)
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[Publications] 吾妻安良太: "原因不明の間質性肺炎(特発性間質性肺炎)をめぐる今日の課題;IPF-新しい治療法開発の可能性と最近の臨床治験-"日本医師会雑誌. 7. 233-238 (2002)
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[Publications] 吾妻安良太: "特発性肺線維症(IPF)-最近の治療法開発の現状-"呼吸器科. 1. 497-508 (2002)