2004 Fiscal Year Annual Research Report
αシヌクレイノパチーの分子病態機構:新規結合蛋白が封入体形成に果たす役割
Project/Area Number |
14570576
|
Research Institution | Hirosaki University |
Principal Investigator |
若林 孝一 弘前大学, 医学部, 教授 (50240768)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森 文秋 弘前大学, 医学部, 助教授 (60200383)
今泉 忠淳 弘前大学, 医学部, 助手 (90232602)
冨山 誠彦 弘前大学, 医学部附属病院, 助手 (40311542)
|
Keywords | αシヌクレイン / パーキンソン病 / 多系統萎縮症 / レビー小体 / NEDD8 / ユビキチン / シヌクレイノパチー |
Research Abstract |
本年度はまず、αシヌクレイノパチー(パーキンソン病、レビー小体型痴呆、多系統萎縮症)における封入体形成とユビキチン様蛋白(NEDD8)の関連について病理組織学的解析を行った。パーキンソン病ならびにレビー小体型痴呆では皮質型および脳幹型レビー小体のほとんどがNEDD8陽性を呈した。一方、多系統萎縮症ではグリア封入体の96%がNEDD8陽性であったのに対し、神経細胞内封入体では40-50%が陽性を示すのみであった。NEDD8の免疫原性は種々のタウオパチー(アルツハイマー病、進行性核上性麻痺、皮質基底核変性症)、運動ニューロン病、ポリグルタミン病に出現する封入体にも認められたが、それらの陽性率はレビー小体のそれに比べ概ね低かった。これらの結果から、NEDD8はユビキチン-プロテアゾーム系を介し、種々のユビキチン化封入体の形成に関与していることが明らかにされた。 次に、多系統萎縮症におけるαシヌクレインの蓄積と神経細胞変性との関係について検討を行った。リン酸化αシヌクレイン特異抗体を用いた免疫染色では中枢神経系および末梢交感神経節の神経細胞(細胞体および核内)にリン酸化αシヌクレイン陽性の線維性凝集体が認められた。さらに、神経突起中にも同様の構造物が観察された。神経細胞内封入体の好発部位である下オリーブ核と橋核における定量形態的検討により、核内封入体の形成は多系統萎縮症の神経細胞における最も早期の変化であること、さらに、胞体内封入体は神経細胞変性に関連する構造物であることが明らかにされた。 さらに、パーキンソン病およびレビー小体型痴呆では、交感神経節の神経細胞脱落に先立ち、心臓神経叢の脱神経が起こっていることを明らかにした。
|
Research Products
(4 results)