2002 Fiscal Year Annual Research Report
大脳機能と自律神経-3D-SSP法を用いた排尿賦活大脳機能画像
Project/Area Number |
14570579
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
榊原 隆次 千葉大学, 大学院・医学研究院, 助手 (00282476)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
内山 智之 千葉大学, 大学院・医学研究院, 助手 (70345015)
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Keywords | 排尿機能 / 高次大脳機能 / SPECT / 3D-SSP |
Research Abstract |
高次大脳機能と自律神経機能について、以下の研究を行った。 昨年我々は、正常人の機能的PET画像において、排尿に関連して脳幹、小脳、前頭葉皮質などが賦活されることを報告した(Aswal BS, Berkley KJ, Hussain I, Brennan A, Craggs M, Sakakibara R, Frackowiak RSJ, Fowler CJ. Brain responses to changes in bladder volume and urge to void in healthy men. Brain 2001: 124; 369-377)。多系統萎縮症(MSA)は広汎な自律神経不全を呈する疾患であり、このうち排尿系障害は最も高頻度にみられる。その責任病巣について、機能的脳画像を用いて検討を試みた。MSA群は8名で全例に排尿症状があり、排尿筋過反射が6名、100ml以上の残尿が3名にみられた。対照群は5名で1名に軽度の排尿症状がみられた。両群に対して[^<99m>Tc]-ECD SPECTを安静時,蓄尿時、排尿時に撮像した。NEUROSTAT softwareを用いて、両群間の正常化平均標識薬集積の差を計算し3D-SSP法で脳表に投影表示した。結果:安静時:対照群と比較してMSA群で脳幹、小脳、前頭葉皮質の血流低下がみられたが、統計学的有意差はなかった。蓄尿時:MSA群で小脳虫部に血流低下がみられ、右側で顕著であった(p<0.05)。排尿時:MSA群の小脳虫部血流低下が蓄尿時よりも目立って認められ、右側で顕著であった(p<0.05)。脳深部(島回、大脳基底核)の血流変化は明らかでなかった。血流増加を認める部位はなかった。MSA群での排尿賦活時の小脳虫部血流低下は、同疾患の排尿障害に関連していることが推察された。 以上の結果を、平成14年度日本自律神経学会において発表した。なお、関連する基礎実験を平行して行った。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] R Sakakibara et al.: "Firing patterns of micturition-related neurons in the pontine storage centre in cats"Autonomic Neuroscience : Basic and Clinical. 99. 24-30 (2002)
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[Publications] R Sakakibara et al.: "Micturition-related electrophysiological properties in the substantia nigra pars compacta and the ventral tegmental area in cats"Autonomic Neuroscience : Basic and Clinical. 102. 30-38 (2002)