2003 Fiscal Year Annual Research Report
傍腫瘍性神経症候群の診断精度向上と発症機序解明のための研究
Project/Area Number |
14570583
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Research Institution | NIIGATA UNIVERSITY |
Principal Investigator |
田中 惠子 新潟大学, 脳研究所, 助教授 (30217020)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
辻 省次 東京大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (70150612)
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Keywords | 傍腫瘍性神経症候群 / 抗神経抗体 / 融合蛋白 |
Research Abstract |
昨年度に引き続き,傍腫瘍性神経症候群を特異的かつ早期に正確な診断を可能にする目的で,関連抗原のcDNAから抗体認識部位に対応する融合蛋白を作製した。Hu抗原,Yo抗原に加えNova-1,collapsin response mediator protein-5,Ma-2,amphiphysin抗原を作製した。これにより,本症の診断能力が格段に広がったとともに,これまで全国諸施設から抗体診断のために寄せられた血清約3000例を網羅的に解析することにより,本邦での各抗体の保有頻度を明らかにすることが可能になった。 一方,本症の病態機序解明のため,腫瘍および罹患神経組織を共通に認識するT細胞に,抗原特異的細胞傷害性T細胞活性を誘導して,これによる疾患モデル作製を目指しているが,抗原提示細胞である樹状細胞の抗原提示能力を高める様々な工夫を試みている。具体的にはToll-like receptor familyのトランスフェクションやneat-shock protein結合ペプチドなどで修飾した樹状細胞を用いて,感受性マウスを免疫することで,マウスに有効な細胞障害活性を誘導することができた。
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Research Products
(12 results)
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[Publications] Tanaka K: "Effects of antineuronal antibodies from patients with paraneoplastic neurological syndrome on primary cultured neurons"J Neurol Sci. 217. 25-30 (2004)
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[Publications] Watanabe Y: "Steroid-responsive limbic encephalitis"Internal Medicine. 42. 428-432 (2003)
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[Publications] 田中惠子: "傍腫瘍性神経症候群の神経症候と抗神経抗体"呼吸. 22. 330-336 (2003)
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[Publications] 田中惠子: "Paraneoplastic limbic encephalitis"神経内科. 59. 14-19 (2003)
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[Publications] 田中惠子: "遺伝性封入体筋炎、rimmed vacuoleを伴う遠位型ミオパチーの分子病態"Annual Rev. 神経. 2003. 262-270 (2003)
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[Publications] 田中惠子: "原著をさぐる 副腎白質ジストロフィー"Clinical Neuroscience. 21. 1212-1213 (2003)
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[Publications] 平原潔: "免疫グロブリン静脈注射法(IVIG)が奏功した糖尿病性筋萎縮の1症例"神経治療学. 20. 81-85 (2003)
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[Publications] 眞野 篤: "外眼筋麻痺と失調性ニューロパチーを呈したミトコンドリアミオパチーの1例"臨床神経学. 43. 564-567 (2003)
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[Publications] 金澤雅人: "嚥下障害が初発症状であった全身性破傷風の2例"脳神経. 55. 973-976 (2003)
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[Publications] 田中惠子: "ダイナミックメデイシン"西村書店. 19 (2003)
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[Publications] 田中惠子: "新臨床内科学 第8版"医学書院. 6 (2003)
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[Publications] 田中惠子: "内科学 第2版"文光堂. 16 (2003)