2002 Fiscal Year Annual Research Report
多発性筋炎の病態機序の解明(chemokineの側面から)
Project/Area Number |
14570589
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
犬飼 晃 名古屋大学, 医学部附属病院, 助手 (30314016)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
祖父江 元 名古屋大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (20148315)
道勇 学 名古屋大学, 大学院・医学系研究科, 講師 (90293703)
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Keywords | 多発筋炎 / 皮膚筋炎 / 封入体筋炎 / chemokine / chemokine receptor / Th1 / Th2 |
Research Abstract |
【対象・方法】多発筋炎(PM)10例、皮膚筋炎(DM)10例、封入体筋炎(IBM)5例、正常対照症例(NC)5例の生検筋組織を対象とし、chemokineである、MCP-1,Tarc, Eotaxin, IP-10, MIP-1α, RANTESおよびchemokine receptorであるCCR3,4,5,CXCR3に対するmonoclonal抗体を用いて免疫組織化学的に染色し、chemokineの発現程度に関してはgrade分類を行い、chemokine receptorに関しては、発現細胞の数値の比(CCR3+4/CCR5+CXCR3)を算出し検討した。PM, DM群ではその臨床dataから血清CK正常値群と高値群とにさらに群分けし検討を加えた。【結果】NC群の筋組織にはどのchemokineも発現していなかった。PM, DM, IBM群の筋組織にはいづれのchemokineも発現していたが、DM群でRANTESの発現が他の2群に比較して程度の強い傾向が見られた(p<0.05)。PM, DM群をCKの値で群分けしてみたところ、PM, DMともこの2群間にchemokineの発現に有意な差は認めなかった。chemokine receptor発現細胞の比は、PM群<IBM群<DM群となり、各々の病態は、PMはTh1優位、DMはTh2優位、IBMはその中間にあることが示唆された。またこの指標に関して、PM, DM群をCKの値で群分けして検討しても、CK正常値群と高値群の間では優位な差はみられなかった。したがって、CK正常値をとるPM, DM群は、その病態機序的にはCK高値群のPM, DM群と同じであることが推察された。
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