2003 Fiscal Year Annual Research Report
マウス運動神経培養系の確立と応用-新規運動神経栄養因子の同定-
Project/Area Number |
14570595
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
山本 洋一 大阪大学, 医学系研究科, 助手 (20335342)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中村 秀次 兵庫医科大学, 総合内科, 助教授 (20237423)
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Keywords | 組織培養 / 運動神経 / 神経栄養因子 / 細胞死 |
Research Abstract |
生後マウス脊髄組織培養系の応用:ALSの治療薬をめざした研究は、ヒト変異SOD1 transgenic miceに投薬評価して行われるのが一般的であるが、必要なtransgenic miceの維持に経費、労力、時間がかかるなど、問題点がある。昨年度、当研究にてマウス脊髄の組織培養法を確立した。これらの系は、通常ラットで行われるが、マウスでは細胞死に陥りやすいなど困難であった。マウスを使用することで、変異SOD1を含むtransgenic miceや細胞死関連のknock out miceが使えるなど、応用範囲が急速に広くなった。この系を利用し、我々は、薬剤Yの有用性を明らかにした。さらにSOD1マウス(G93A low copy)に投与し、発症時期はかわらないものの、罹病期間を37日延長した(論文投稿中)。この薬剤Yは、既に他の目的で使用されている薬剤であり、かつ罹病期間を延長したことは、発症後服薬をはじめる患者にとってすぐにでも投与できる点で、早急に検討すべき薬剤と考える。 新たな神経栄養因子HDGF:増殖因子であるhepatoma-derived growth factor(HDGF)の神経系での役割について検討した。海馬神経細胞培養系にて、HDGFは神経細胞核内に局在し、細胞外に分泌されること、さらに細胞外にHDGFを添加することにより神経栄養因子として働くこと、またsiRNAを使ったHDGF産生抑制実験から、核内HDGFは神経細胞の生存に深くかかわっていることを明らかにした(論文投稿中)。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Sato T, Yamamoto Y, Nakanishi T, Fukada K, Sugai F, Zhou Z, Okuno T, Nagano S, Shimizu A, Sakoda S.: "Identification of two novel mutations in the Cu/Zn superoxide dismutase gene with familial amyotrophic lateral sclerosis : mass spectrometric and genomic analyses."Journal of the Neurological Sciences. 218. 79-83 (2004)
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[Publications] 山本洋一, 須貝文宣, 佐古田三郎: "マウス脊髄のスライスカルチャーとその応用"脳21. 6. 196-199 (2003)